暫らくみんなの見える場所で必死に考えていた。だがそんな
思いとはウラハラに時は待ってくれない。
「 撮影再開します。用意お願いします。」
スタッフさんの声が聞こえてくる。余計に焦りが増す。
( 僕の都合だけで待たす訳にはいかない。このまま行こう)
決心して挑む僕だった。
「 それでは再開します。まずはカメラテスト行きます。」
玲子さんが近づいて僕の顔をマジマジと眺める。
「 さっきと変わってないわね。まだカメラテストだから
いいけど・・・・。本番に間に合わなかったらどうする
の?」
心配をする玲子さんだった。僕は根拠も無いのに無謀な発
言を続けた。
「 大丈夫です。本番までには元に戻せますから。」
「 そう?大丈夫なのね・・・・。それじゃ。」
玲子さんは自身の立ち位置へと戻っていく。そんな中で由紀
が徐に僕に後ろから抱きつくのだった。
周りの人達も驚きを隠せずにいた。
「 ど、どうしたんだ由紀?もう撮影始まっちゃうよ。」
「 ・・・・うん、分かってる。でもね、どうしても・・・、
たかしの事、放したくないって思っちゃって。どうしよう
も無い気持ちでいっぱいなの。止まらない!由紀のこの気
持ち。どうにかして!」
「 ど、どうにかしてって!?どうすればいいの?」
「 そんなの女の子に聞かないの!恥ずかしいじゃない。」
「 え、なに?」
僕にはどうしていいか分からないままだった。助け舟は思わ
ぬ所からやってきた。