「 さあさあ、気持ちの切り替えしてね。たかしも今日は
大切な日なんでしょ?撮影が長引いたら大変なんじゃな
いの?」
「 うん、そうだけど・・・・。」
「 なら、スッキリさせてあげる。これで許すわ。」
そう言って由紀は俯き加減の僕の顔を強引に振り向かせて
みんなの前でキスをした。僕は目を丸くしてなにもできず
に居た。
「 はい、これで大丈夫。さあ、行きましょう。」
スタッフさんも唖然としていた。僕はしばらく立ち竦んで
いた。そこに来たのは玲子さんだった。
「 まあ、朝から大胆ね。たかし?大丈夫?おはよう。」
「 あ、あ、おはようございます。」
「 なに?どうしたの?今日の撮影もう始まっちゃうよ。」
「 あ、はい。大丈夫れす。」
「 ホントに大丈夫?私先行くから。」
僕はなんで?と思う気持ちで動けなかった。女の子の気持ち
がますます分からなくなった。そうしているうちに小畑さん
が通りかかり。
「 たかしどうしたんだ?もう時間だぞ。遅れたらどうする
んだ。そんなとこで立ち竦んでじゃない!早く行きなさい。」
「 あ、すみません。行きます。」
小畑さんは相変わらず冷静で怖かった。僕は急いで撮影場所
までかけて行った。