素早く避けた筈だったが、切れた袖を確認した時に、これはもう少し真面目にやらないとやばいと感じていた。そして銃をしまって剣に持ち替える。
「 ちょっと油断したかな。本気を少し出しますか。」
( ほう、やっと本気ですか?今までは本気ではなかったと?十分本気だったじゃないですか。)
「 ちぃ、うるさい奴だな。・・・・本気は出してね~よ。これからが本気だって~の。」
( そうですか。それではその本気を見せてもらいましょうか!)
連続に切り込んで来るベヒモットを剣で迎える。今までの動きでは本当に切られてしまうと感じ取った神童は、今まで以上の動きに変わる。相手は二刀流の様に切り込んで来るに対して、一本の剣でそれを応戦する様は、本気度が十分伝わる。右から左から。上から下から。変幻自在に攻撃が続く。それを今はいなすだけでいっぱいだった。
「 結構キツイな・・・・。このまま防戦だとまずいな。」
( なかなかやりますね。でも守ってばかりですよ。攻撃できませんね。やっぱりそれが貴方の実力と言うものですかね。私達はまだまだこんなものじゃないですよ。)
「 はん、言ってくれるね・・・・。これが実力だと?バカにするんじゃね~よ!俺だってこれからだって~の。」
「 神童、なにもたついてるんですか。早く決めなさい。」
「 おいおい、見てるだけの奴に言われたかね~よ。これでも結構我慢してるの。奴の出方がやっと分かってきたところだ。これからは反撃だ。よく見ておけよ。」
「 それだけ減らず口言えるのだったら大丈夫ですね。でも、言葉には気をつける様にお願いしますよ。これでも私、貴方の上官ですから・・・・。」
「 闘いの最中にも言うかよ?分かってますよ!やればいいんでしょ。それじゃいきますか!」
身構えた剣が光りだす。退魔剣として鍛え上げられたいる剣には、特殊な処理がされている。鍛え上げられる最中に祈りを込められるのだ。それだけに魔にとってはこの上なく厄介な物だろう。切られるといくら再生能力がある者でも簡単には再生できないであろう。
「 さあ、今度は俺から行こうか。覚悟はできたか?」
( 覚悟は貴方の方でしょう。簡単に行かないのは今まででよく分かったでしょう?)
「 いちいちうるさい奴だ。おしゃべりが好きなのか?俺はおしゃべりな奴はあんまり好きじゃないんでね。ここらで黙ってもらいましょ~か!」
剣速が上がる。今までよりも切り返しの速さが違う。二刀である相手の動きを完全に封じる。今までの形成が逆転する。ただひたすらに守りの状態に変わるベヒモットであった。油断をすると切られて、簡単には再生できない事を感じ取っていただけに、ベヒモットも必死になっていた。