「 どこで知ったんだよ内野。」
「 どこって、私あの場所に居たのよ。気づかれないように
隠れてたの。結構やばいって思ってたんだけど。たかしが
最後で許しちゃうからさ、またスクープ取り逃がしたって
事よ。」
「 なんだよそれ、やっぱりスクープの為かよ。」
「 ・・・・そうね、私の仕事だから。邪魔したわね。帰る
わ。」
内野は話を切り上げてその場を去っていった。後姿はなぜか
寂しさが感じられていたのに、僕は声をかける事ができなか
った。
「 邪魔者は居なくなったわね。たかしはものすごく優しい
けど・・・・、それは誰にでもなの?女の子ってそんなに
周りに優しいと不安になるのよ。優しさはスキな人の前だ
けにしてほしい。・・・・なんてね。独り占めしたいな。」
「 由紀・・・・。」
「 いつかたかしの中を由紀いっぱいにしたいな。」
由紀の気持ち、内野の気持ち。それぞれに分かってはいたが
答えがまだ出せない。優柔不断な性格なのかな?八方美人で
いい事だけ見せてる感がある。
「 今日はごめんね、明日撮影でしょ。私も明日撮影になる
と思う。仕事の出来具合で変わるけどね。頑張って合流し
て明日も会うんだ。だから、今日はここで。」
「 そっか、うん。じゃまた明日。」
僕達はただ会って話しただけだったが、以前よりも増して気
持ちが少しずつ近くなったように感じていた。