小畑さんは2人の顔をマジマジと見て表情を読み盗っていた。
だが小畑さんの表情が一変した。どうも電話の主からの言葉で
表情がさらに真顔になっていた。
「 ・・・・ほう、そうですか。分かりました、それでは。」
小畑さんが電話を切ってから、前田さんの所へ近づいてきた。
「 前田、もう隠す必要は無くなった。それに神崎君、君は
人が善すぎる。もっと人を疑わないといけないな。まあ、
今回はそのおひと善しで、助かったのかもしれないがね。」
「 小畑さん先程の電話、誰だったんです?」
「 ・・・聞きたいか?今の電話は遠藤のマネージャーからだ
よ。今日の事を誤りたいと言ってきた。聞けばかなり際どい
な。犯罪として訴える事もできるが。神崎君、君が許したん
だって?どうしてだい?ひどい事されたのに。」
事情は遠藤さんのマネージャーから、一部始終小畑さんに伝わ
ったようだ。遠藤さんから指示が出たようだ。
「 僕にも関係が無い訳じゃないと思ったからです。今回の事
は、僕が出る事にならなければ起こらなかった事です。僕が
主役に選ばれなければ、冴島さんが主役のままだったら起き
なかった。そう思えて・・・・。」
「 おい前田、お前は何をしてきたんだ。神崎君、この世界は
譲り合いでできてないんだ。誰かが選ばれれば、誰かが落ち
る。競争なんだよ。もっと自分を主張しないといけない。
選ばれるだけでもすごい事。それを悲観するようなら、これ
から君は役を簡単に人に譲るのか?他にやりたい人がいるか
らだとか。甘いよ、甘すぎる。もっと貪欲に欲しがらないと
みんなそうしてるんだ。前田もっと厳しくしないとな。」
小畑さんはこれからの僕の心構えに喝を入れる。