「 なに・・・なにバカな事言ってるのよ。私はあなたの事
なんか、なんとも思ってないわ。」
「 知ってるよ・・・・、それでもいいんだよ。僕の気持ちを
ちゃんと伝えたかっただけだから。僕を好きになってくれな
んて言わないよ。」
「 当たり前よ。なんで私があんたなんか・・・、好きになる
訳無いじゃない。ホント・・・・当たり前よ。」
「 うん、分かってる。でも、これだけはお願いだ。これから
もうこんな無茶しないでくれ。もうこんな事は今回で止めに
してくれないか。これは僕からの最後のお願いだ。聞いてく
れるなら、もう金輪際君の前には現れないよ。だから、約束
してくれないか。」
河野さんの本気の説得だった。遠藤さんもこの言葉の後はしば
らくは無言になり、考えていた。
「 もうそれ位でいいんじゃないか?遠藤さん、今後こんな事
するんだったら、ただじゃ済まなくなる。芸能界だって居ら
れないよ。まあ、今回でも相当な事してるんだけど・・・。
神崎君が今回の事をこの場だけの事にしてほしいって、言う
もんだからね。僕は表沙汰にした方がいいって言ったんだけ
どな。さあ、どうする?」
「 私は・・・・・・。」
「 冴島さん、この事は僕が責任持ちますから・・・・。僕が
けりをつけます。」
「 おいおい、君も役者だろ?今後仕事だってまだあるだろう。
こんな事の為に君が責任取る事はないよ。それに君にはなん
にも関係無いだろう。」
「 いえ、今回だけじゃ無いんです。昔にも同じ事を僕がやっ
て来ましたから。僕にも責任があるんです。止められなかっ
た責任が。」
河野さんもかなりの覚悟を持っているようだ。そんな姿を見る
遠藤さんの気持ちに変化が現れ始めた。