玲子さんの言葉が重く圧し掛かる中、僕は冷静に装うように
気持ちを変えようとしていた。
「 玲子さん、本当に別れるの?」
「 ええ・・・、本気よ。私はたかしと別れるわ。」
「 本気なんだね、玲子さん・・・・。」
僕の目の疼きが増していたが、玲子さんの気持ちを本当に受けて
いるようで、目の痛みを凌駕していた。僕はここで少女の言った
事を思い出していた。そして僕はここで一つの決心をした。
「 じゃ、別れる前に・・・お願いしてもいいかな。」
「 なに、たかし。」
「 最後に僕に顔を見せてくれませんか?」
「 ・・・うん、いいよ。」
僕は玲子さんの傍まで寄っていく。そしてメガネをゆっくりと
外し、玲子さんを見て心の中で願った。
「 これが最後になるのかな・・・・。」
「 たかし・・・・。」
するとゆっくりとだが、様子の変化が見て取れた。
「 俺は今まで恋愛ってどんなものだろうと思ってました。
俺自身が経験した事が無かったから。だからここ数週間の
出来事は僕にとって新鮮であり、また戸惑いでもあった。
女の子からスキって言われた事無かったから。だからどう
対処したらいいか・・・・、ホントに分からなかったし、
どう答えればいいのかも分からなかった。俺の気持ちが
分からなかったから。」
僕は玲子さんを見ながらありったけの感情を吐き出していた。