玲子さんと2人して撮影場所を後にして、電車で移動する。
マネージャーの小畑さんには了解を得て、夕方6時までの
秘密の行動が始まる。なにも知らされないまま向かう先は
何処だろうと、期待と不安。僕自身は変装もなにも無い。
玲子さんは流石にそうはいかないので、サングラスとマスク
をして、日差し避けの大きな白い帽子を被る。
「 たかし、私って気づかれて無いわよね?」
「 うん、大丈夫。でも大変だよね。こんなにしないと電車
にも乗れないなんて。」
「 ううん、普段は全然気にしないわよ。こんな変装滅多に
しないわ。だって今日はたかしと一緒だからかな。」
「 そうなんですか・・・。」
「 私は気にしないんだけど、小畑さんにも言われてるから。」
そこまでして行きたい所って何処なんだろう。しばらく話を
しながら電車に揺られると、見えてきた先は海岸線。
「 ねえ、見て海だよ。私海が好きなんだ。」
「 僕も好きですよ。今年は来る事無いだろうと思ってた。」
「 そう?海外で行かなかったの海。」
「 そんな時間無かったですよ。車の中から見た程度で。」
「 そうなんだ・・・。てっきり由紀と行ったのかと思ってた。
行った先の所で、行きたいトコあるって言ってたからさ。
てっきり行ったもんだと思ってた。」
「 え、そんな事まで由紀言ってたの。」
「 と言う事は・・・・、由紀と行ったんだ。」
僕はホント隠し事が苦手だった。昔からすぐにばれてしまう。