数日間空いた撮影の感覚。役に入るまでは不安になっていた。
玲子さんから。
「 たかし、気持ちを入れてね。いけるかしら?」
「 はい、いけますよ。本番いきましょう。」
気合が入る。自分でも思ってもいなかった事。自分にこんな
演じる仕事ができる事が。
それからは撮影も順調に進んでいく。午前中の撮影も思っていた
よりも早く撮り終えた。
「 たかし意外と出来てるわね。ホントいまさらだけど、この
仕事に向いてるようね。よかった。」
「 そうですか?まだまだどうしたらいいか、難しいですよ。」
「 そうね、演技としてはまだまだこれからってとこ。でもね、
ちゃんと台詞が入ってるから、気持ちが乗るのね。私もたかしに
引っ張られるとこあるわよ。だから思った以上に気持ちが入る。
たかしのこれからが楽しみだわ。」
「 ありがとう玲子さん。ホントに大丈夫ですかね?」
そんな時、監督が声をかけてきた。
「 そうだな、演技はまだまだ荒いが、こう人を引き付ける魅了が
君にはある。君の天性てとこかな。いいもの持ってるよ。」
「 監督・・・ありがとうございます。」
「 監督、私の見る目もまんざらじゃないでしょ。」
玲子さんも監督も僕を褒めてくれた。まんざらじゃないって・・・。
嬉しい限りだ。