早朝、僕は病院で目が覚める。今日でここともおさらばだ。
「 おはよう、神崎君。ちゃんと眠れた?」
「 前田さん、おはようございます。はい、ちゃんと眠れました。」
「 そう、荷物は事務所の人が来て、家に送ってくれるからね。
さあ、今日からまた映画の撮影よ。」
「 はい、行きましょう。」
前田さんと共に撮影現場に向かう。以前と僕の気持ちは変わっていた。
これから、これからもこの仕事がずっと続けていけたらと、強く思って
いた。
これから向かう先は、今までの撮影所のセットではなく、野外での
撮影だった。ロケ用のバスに乗り込み撮影現場に向かう。
森林生い茂る場所での撮影と、街中に移っての撮影を今日中に撮ると
聞かされていた。まずは街中での撮影。通行人のエキストラを入れて
行われる。
「 今日から復帰します神崎さん入ります。」
「 みなさんご迷惑かけました、がんばりますのでよろしくお願い
します。」
スタッフさんからの入りの言葉の後、僕の気落ちを皆さんに伝えて、
仕事に向かった。
「 神崎君、今日からまた頼むよ。大分スケジュール押してるから。
でも、まあ気にせずマイペースでいいよ。焦って撮るといい絵に
ならないから。」
「 はい、監督。よろしくお願いします。」
監督からも言葉を頂き、本格的に仕事の緊張感が甦ってきていた。