「 さあ、あいさつはそれ位で神崎君。空港に向かうわよ。」
前田さんと共に空港に向かおうとする。車の前で来栖さんと恵美。
「 神崎さん・・・。改めて私からも言わせてください。私も
この撮影でハッキリしました。神崎さんがスキです。由紀や
恵梨那には負けません。また会ってください。」
「 来栖さん・・・。ありがとう。じゃ・・・また。」
「 お兄ちゃん、私は帰ってもまた会えるから、なにも言わないよ
バイバイ。」
「 なに言ってんだ、それじゃあな。」
恵美の意味深な言葉だったが、急いで車に乗り込み空港に向かった。
夜の便で日本へと帰国していった。
飛行機の中で、色々と思い返していた。前田さんからは次の仕事の
打ち合わせがある事を聞いた。
「 映画を撮りながらになるけど、今回はいい仕事だからがんばり
ましょう。こんな機会って滅多に無い事よ。感謝しなくっちゃね
その目の力に。」
「 そうですか? 仕事をもらえたことは嬉しいですけど・・・。
目の力だと思うと。なんかおもいっきり喜べないですよ。」
「 これもあなたの運命なのよ。素直に喜んでいいと思うわよ。」
僕はそう言われても、なんか釈然としないでいた。ヘッドホンして
音楽を聴く事にした。到着まではあと6時間。途中、睡眠を摂り
ながら。そんな機内の中で離れた場所から、僕を見ている人がいた。