一先ず仕事の区切りができた。早朝から続いた撮影も昼を過ぎていた。
まだまだ余韻が残る現場、ケータリングで昼食を摂っていた。
バイキングのように好きな物を自分で選んで摂っていく。
「 たかし、なに選んでるの?」
「 日本食もあるんだね。今選んでるのは魚と玉子焼きかな。由紀は?」
由紀と昼食でたわいも無い話をする。さっきまでのみんなの事があった
だけに、由紀はホントのとこどう思ってるんだろうと思っていた。
「 たかし、ちょっと向こうで一緒に食べない?」
「 いいけど。大丈夫かな?」
みんなバラバラに行動しているが、視線は常に感じていただけに、由紀と
2人だけになって大丈夫かちょっと不安だった。
「 大丈夫。いつものようにしてればいいの。」
「 そうだよね。分かった、向こうで食べようか。」
僕と由紀は、ロケバス近くに用意されたテーブルで食事を摂る事にした。
「 ねえたかし、今回大変な事になっちゃたね。」
「 そうだね・・・、結果的に。でもあれは使われるのかな。」
「 あれってどの事?」
「 由紀が振り向き様にキスした事だよ。いくらPVって言っても実際
ファンの人達に見られるんだ。使われたら大変な事になるのは由紀の
方だろ。」
撮影部分は後から編集される事は分かってはいたが、流れからすると
使われる可能性のほうが高かったからだ。