僕を除いた撮影は、その後順調に進んだ。
みんなの視線は、僕に向けられているように感じていた。
このまま目に入る場所に立つとまずいと思い、影に隠れる
ように見ているとみんなは、必死に僕を探している様子を
見せていた。
「 みんな集中! ラストまでもうすぐ。」
スタッフさんから檄が飛ぶ。みんな心の中ではドンドンと
気持ちが高まるのを感じていたようだ。もうすぐ、もうすぐと
思う気持ちが膨らんでゆく。そしてその瞬間が訪れる。
「 ハイ、カット。OK~。カメラチェック入ります。」
「 たかし、たかしは?どこにいるの。」
「 見当たらない。どこにいるのかしら。」
由紀と恵梨那は終わるやいなや、僕を探す。
「 たかしー。たかしー。どこ~。」
由紀は待ちきれない女の子だった。それは由紀だけじゃなかった。
みんな待ちきれなくなっていた。早く会いたいと思う気持ちで
ウズウズしていたのだ。そうとは知らず、僕は前田さんとみんなの
下へと向かっていた。
「 たかし、見つけたわよ。たかし今は戻らない方がいいわよ。」
「 なんだよ内野。みんな終わったんだから、いいだろ。」
「 そう、終わったんだけど・・・・。みんなたかしの事、
狙ってるわよ。戻ったら大変な事にならなきゃいいけど。」
僕はその言葉で、背中に冷や汗が流れるのを感じていた。