「 たかし、ちゃんとやってよ。私がカメラでいいとこ残すからね。」
「 内野も撮るの? 専属の人がいるでしょ? 」
「 なに言ってるの。私はたかし専属で撮影するの。だからみんなの
事は気にしないで。」
「 なんだよそれ。まあ、みんなの足を引っ張らないようにがんばるよ。」
「 分野が違うけど、ここでアピールできたら、新しい仕事も出来ると
思うよ。」
内野も僕の事を心配して声をかけてくれた事は分かっていたのだが、なにか
気を許せないところがあった。
「 ハイ、OKです。カメラチェックします。」
再びOKの声がかかり、モニターに向かう。
「 今度はどうですか? 編集部分からすると、ここで切れて次に
神崎さんの入った絵が来ます。」
「 そうね、前半も言ったようにできたし、じゃ、OKって事で次行き
ましょう。」
僕の本番がやってきた。この時は由紀が大きな行動に出るって事は気づいて
いなかった。
「 さあ、行きましょうか神崎君。がんばってね。」
「 はい、前田さん。」
「 それでは、神崎さん入ったとこから行きます。準備OK? 」
2人の間に立って曲が始まるのを待っていた。