早朝4時30分、携帯のアラームが朝を告げる。
( もう朝になったか・・・。これから何処に行くんだろう?)
帰ってすぐに撮影に往けるように、荷物を用意して部屋を出る。
ホテルのロビーは南国をアピールするオブジェを配置する。
帽子を目深に被って、黒ぶちのメガネをかけて変装している由紀が
ロビーの噴水の所に座って携帯を触っていた。
「 おはよう由紀。もう来てたんだ。」
「 あ、おはよ~うたかし。うん待ちきれなくて。さあ、行こう。」
僕と由紀はホテル前に止まっているタクシーに乗り込み、由紀は行き先を
告げる。
外はぼんやりと明るくなってきていた。湾岸線を走り抜ける。海を見ると
ほんのり赤みがかって、夜明けを告げようとしている。
「 由紀、これから何処に行くの? 」
「 着いてからのお楽しみ。もうちょっと待って。」
車中は、期待を膨らませながらおしゃべりする由紀と、南国の景色に
ちょっとワクワクしている僕がいた。
30分ほど走った先で、タクシーが止まった。料金とチップを渡して降りる。
「 たかし、着いたよ。早く行こう。」
「 分かった。ちょっと待って。」
足早に由紀はその場所に向かう。遅れないように僕はその後を追った。
そこは緑生い茂る丘の上にある建物。流石に早朝だけに人影がなかった。
由紀と僕はその建物に近づいて行く。