ホテルに着いたFRCメンバーは、すぐさま撮影の準備に入る。

現地時間で早朝6時、日本時間から8時間の時差がある為、

時差ボケを起こすメンバーもいる。チェックインは夕方になるので

それまでの間は、ロケに費やされる。ホテルの中庭などを使っての

撮影が行われる。流石にリハ中は、眠い目をするメンバーもいたが

本番となると、目が生きる。すぐさま大きな振りを体で表現する。

ここはプロとしての自覚をみんな持っている証拠だ。

日本のアーティスト集団が、それもチームダンスのように踊る様を

珍しそうに見る外国の人達。観光で訪れている人の方が大半だろう。

中には同じ日本人観光客が、ロケの風景を偶然見つけて、ラッキー

と思いながら、遠巻きに眺める光景もあった。

「 はい、そく反転して、こう、そしてバーンと上に跳ねる。」

カメラマンが撮影の支持を受けながら、ドンドンと進行されていく

撮影。曲の序盤と、終盤に使われるとこだが、曲の長さにして1分

あるかないかのところだが、撮影自体には何時間とかかるのだ。

実際、撮影が始まってすでに6時間が過ぎていた。

「 みんな、まだまだキレが悪いよ。最高のところ見せようね。

 いくよ。円陣組んで声出すよ。」

松井さんが中心になり、みんなが円陣を築き声を出し合う。

「 さあ、行くよ。みんな。」

掛け声が上がり、みんな本気の目を輝かせてポジションに着く。

曲に合わせて振りを続ける。同じ振りを何度も何度もカット割で

撮影する。後でそれが合成されて一つの作品として世に出て行くのだ。

現地時間で昼の1時を過ぎた頃に、僕と前田さんは空港ロビーにいた。

荷物を受け取り、みんなの元へ合流すべくタクシーに乗り込む。

現地は常夏。ジリジリと照りつける太陽は日本よりも暑かった。


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