「 ねえ、たかし。海外旅行何処行こうか? 」
「 そうだな。由紀はどうしたい? リゾート気分を満喫するか、
それとも観光を目的で行くのか、どっちがいい? 」
「 由紀はね・・・・、やっぱりリゾート気分を満喫するほうがいい。」
「 だったら、何処がいいかな。南の島っていっぱいあるからさ。」
台詞に合わせているが、こんなシチュエーションが今までなかった僕は、
疑似体験ながらも、いいなと思っていた。
「 たかし・・・。時間作ってさ・・・。ホントに行ってみない? 」
「 え、由紀? 何言ってるんだよ。台詞にないぞ。」
「 だってさ、ホントに行きたくなったんだもん。それに・・・。
PVには声が入らないからさ。楽しそうな絵が入ればいいのよ。」
「 由紀・・・。しかたないな。」
ちょっと本当になればいいのにと、思う気持ちもあった。
「 たかし?普段からメガネしてるよね。視力だいぶ悪いの? 」
予想外の質問が由紀から告げられた。
「 い、いや~。そんなことないんだけどね。」
「 じゅあ、伊達メガネなんだ。なんで?メガネないほうがいいんじゃない? 」
まさかメガネの事がこんな場面で出てくるなんて思ってなかった。
困った顔が出てしまう。すかさずカットの声がかかる。
「 どうしたの? さっきまでよかったのに。急に表情が変わったね。
もう一度行こうか。」
僕も気を紛らわすように、深く深呼吸する。そこに由紀の手が僕に伸びてきた。