「 分かりました。やってみます。あまり期待しないでくださいね。」
「 いあや。ありがとう。よし、じゃ本番までに色々考えてみよう。」
承諾してしまった。まあ何とかなるだろうと簡単に考えていた。
この時までは・・・・。
「 撮影はここじゃないから。聞いてると思うけど、ロケ先で撮るから
それまでに色々と案を考えときます。」
スタッフさんも乗り乗りで話を進める。
「 たかし、今日は由紀との演技だぞ。曲に合わせた設定だから、緊張
しちゃう。がんばろうね。」
「 神崎さん、由紀の事お願いします。」
「 僕の方こそ、よろしくだよ。」
乗りのいいアップテンポの曲で、街中で偶然出会った2人が恋に落ちて、
付き合い始めて初めての海外旅行を企画する。友達にも内緒の逃避行。
色々楽しい旅先で、夕日を見ながらさらに恋に落ちる。そんな曲の内容を
ドラマ仕立てにPVにしていく。
「 神崎君、準備はいいかしら。そろそろセットに入って撮影よ。」
「 大丈夫ですよ、前田さん。程よく緊張も解れましたから。」
「 じゃ、がんばって。由紀ちゃんに負けないようにね。」
本番前に踊ったりしたお蔭で体も動くようになった。ストレッチも
したので、痛さも程ほど感じなくなっていた。
「 それでは、ドラマ部分の撮影に入ります。よろしくお願いします。」
スタッフさんの掛け声で、周りが今までと変わって緊張感が出てくる。
その中に僕と由紀がセットに入り撮影が行われようとしていた。