僕の振りを休憩中の由紀と恵梨那が観ていた。
「 たかし、すご~い。なんで、なんで。できちゃうの? 」
「 神崎さん、ホントすごい人ですね。鳥肌立った。」
「 ダンスやった事ないってホント?ちゃんと型できてるし。
これじゃ私達の方が教わらないといけない。」
由紀も恵梨那も僕の事を改めて感心している。
「 来栖さんのお手本がよかったからだよ。ちゃんとできたのわ。」
「 普通、一回じゃできないよ。たかしって天才なの? 」
その様子を見ていた振り付け師さんが傍に来て。
「 神崎君、君飲み込み早いね。思ってたよりできるみたいだから、
振りを増やそうか。」
「 そんな、いいですよ振り増やさなくても。」
「 神崎さんなら、大丈夫ですよ。やりましょうよ。」
みんなが僕を高く評価してくれるが、僕は疲れることが嫌いだった。
ここはなんとしても、今の振りだけにしてもらいたくて、はっきりと
返事をしないでいた。
「 たかし、由紀の為にお願い。やって。」
「 え~。由紀の為って。いやだよ。」
「 そう言わないで、神崎さん。絶対いい作品にしたいんです。
お願いします。」
由紀も振付けてくれた来栖さんも僕にお願いする。
僕はいい作品にと言われて、承諾する気持ちになっていた。