打ち合わせも終わり、前田さんも忙しい状況もありすぐに帰ると
言う。それに合わせて玲子さんも帰る事に。
「 今日は1日楽しかった。退院も近い事だからセッティングするわね。」
「 ありがとう玲子さん。ホントに食事するんですか? 」
「 あら、嫌なの? 」
「 いやそういう訳じゃないです。大丈夫かどうかって事です。」
「 大丈夫よ。心配しないで。それより仕事がんばってね。」
「 紺野さん先出るわね、ロビーで待ってるわ。」
「 はい、すぐに行きます。」
「 じゃ、気をつけて帰ってください。」
見送りをしようと、ドアに差しかかった時だった。
「 たかし、お見送りのキスして。」
「 え、突然なんですか。キスって。」
「 いいじゃない。由紀にもしたでしょ、今朝。」
「 え、知ってたんですか。マジで。」
「 連絡有ったって言ったじゃない。その時由紀が言ってた。」
ここの関係はどうなんだと思うばかりだった。ライバルのように
言ってて色んな情報は共有している。ますます分からない関係だ。
「 そんな身構えなくていいわよ。この世界じゃキスなんて好きでも
ない人ともするんだから。せめて好きな人とはちゃんとしたいの。
いいでしょ、たかし。」
そう言われて感じた。この業界じゃ、演技の為に初めての相手が芸能人
てのも当たり前だと。せめてもと、軽いキスを交わして見送った。