「 そうか、恵美ちゃんが由紀と一緒のグループになるんだ。」
「 由紀、まだ決まった訳じゃないぞ。恵美ちゃん次第だから。」
「 小畑さん。ありがとうございます。恵美がんばります。」
「 大丈夫よ。小畑さんが話をするって事は、決まりって事だもん。
ね、前田さん。」
「 そうね。ただし、最後までちゃんと力を発揮してね。手を抜くと
ダメだぞ。」
「 大丈夫です。手を抜くなんてしませんよ。う~ん。元気でたー。」
「 よかったな、恵美。お前の夢が叶って。」
「 うんやったよ、お兄ちゃん。これも、お兄ちゃんのお蔭だよ。」
「 俺? なんで、俺のお蔭なんだ。」
そう、僕自身がなにかした訳じゃない。はて。
「 だって、お兄ちゃんが道を作ってくれたんだよ。お兄ちゃんが
映画に出るって事なかったら、まだ自分でオーディション見つけて
受けてたから。」
そうだな、恵美は中学に入った頃からオーディションによく応募していた。
ただ今まではよい結果が出なかった。その事を知ってるから、本当に
嬉しそうにする恵美を見ると、よかったって本当に思えた。
「 松田さん、よろしくお願いします。」
「 恵美ちゃん、固い。由紀でいいよ。ね、たかし。」
「 ほんとですか。じゃあ、由紀さんって呼びますね。」
「 ところで、恵美ちゃん。何か聞きたそうにしてたけど、いいの?」
まずい、なんで前田さんそんな事言うの。せっかく話が変わったのに。
僕はまずいと思って、みんなから背に向けるように横になった。