小さい声で前田さんの電話に出た。

「 はい、神崎です。どうしました?」

『 神崎君、大丈夫なの?電話、恵美ちゃんが出ると思って

 かけたんだけど。ホント大丈夫?』

「 はい、大丈夫です。まだ痛みますが。声も少し出せる位ですが。

 それより、恵美に用なんですか?」

『 そうなの、恵美ちゃん傍にいないの?もし居たら変わってほしいん

 だけど。』

「 恵美ですか。さっきまで居たんですが。こっちでちょっとしたことが

 あって、今は居ないんですよ。緊急なら呼びますよ。」

『 そうね、緊急と言えば、緊急かしら。いいほうのだけどね。』

「 いいほう?なんかあったんですか?」

『 そうなんだ。そっか、じゃあそっちに行った時に話すわ。ゆっくり

 休みなさいよ。神崎君。』

「 分かりました。それじゃ。」

そう言って、前田さんからの電話を切った。緊急?なんだろう。

しばらくすると、病室に恵美とゆいが戻ってきた。

「 もう、大変だったのよお兄ちゃん。河野さん何とかして戻ってこようと

 してたから。」

「 そうなの。なんとかホールに待たせてた人達に連れて帰ってもらったの。」

相当大変だったみたいだ。顔を見ると、どっと疲れた様子が伺えた。


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