店の奥に消えた店主が戻ってきた。そして告げるのだった。
「 あんた、よくもやってくれたもんだ。あんなゴロツキどもでも
このあっしの舎弟どもだ。ただじゃここを出れると思いなさんなよ。」
「 店主が親玉てか。ここもまともじゃないね。どうりで荒れ放題な
訳だ。好き放題してきたんだろう。やるせねえな。」
「 ごちゃごちゃ言ってんじゃないよ。表へでな。」
店主は二刀を腰に差し表に向かう。席を立ち、浪人も表へ向かった。
「 さっきとは違うよ。簡単には殺しゃしないよ。じわじわとさ。」
「 止めときな。私も無駄な殺生はしたくない。このまま手を引いちゃ
くれねえか。」
「 なにほざいてんだい。お侍さん、あんたそんなに切られるのが怖いのかい。」
「 無駄のようだな。・・・・いつでもよいぞ。」
「 なめた口を。あんたに刀は抜かせないよ。覚悟しな。」
店主は二刀を抜き、すかさず浪人に立ち寄った。流石に言うだけあって
さきほどのゴロツキどもよりも早い。だがしかし。これもまた一瞬で決まった。
抜身が見えないほど、すぐさま振り向き去ってゆく。
「 これもまた、無駄なものを切ってしまったものだ。まともにめしに
辿りつけんな。今度はいつ食べれるかの。」
呟きながらその場を後にする。店主はというと。これもまた見事に、胴から上が
飛んでいた。その傍で、幼さの残る子供がその場を見ていた。
「 すげー。あの侍さん。」
憧れを抱き、その子供は浪人の後を就けてゆく。