殴り続けることがしばらく続いていた。声を出そうにも

腹を殴られ続けていたので、大きな声が出せずにいた。

「 さあ、そろそろ。完全に潰れてもらおうか。」

止めの一発とばかり、顔面に拳が入った。もう僕の意識は朦朧と

していた。殴った勢いでメガネが飛んでいた。そんな事も気付かないほど。

そして完全に僕は顔が下がり、下を向いた状態にぐったりとなっていた。

全体重がかかったのか、2人が手を離した。地面に倒れこむ僕。

倒れこんだ後、先ほどから殴っていたやつが、僕の髪の毛を掴み顔を

無理やり上に向けた。

「 これ以上この映画にかかわるんじゃない。いいな、さもないと

 今後どうなっても知らないぞ。」

意識が失いかけていた僕が、その真正面の男の顔を閉じかかった目で見た。

次の瞬間だった。今まで殴っていた男は僕を急に抱きしめて謝り始めた。

「 お、俺はなんてこと。すまない。ホントにすまない。」

その言葉に周りが気付き不思議がっていた。そしてスタッフさんら異変に

気付いたのだった。監督一同ざわめきだした。

「 カーット。おいどうしたんだ。スタッフすぐに見に行け。」

倒れこんだ僕は、抱きかかえられたまま意識がなくなっていた。

「 お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

「 たかし、たかしは大丈夫なの。たかし。」

妹の恵美が取り乱してスタッフに僕に近づかないように抑えていた。

玲子さん、由紀そして競演のみんながざわめいていた。



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