「 あのー。初めまして。遠藤美奈です。今日から撮影に入ります。
よろしくお願いします。」
「 初めまして。紺野玲子です。よろしく。」
「 ホントうれしいです。紺野さんと共演できるなんて。ドラマ
いつも見てました。」
「 そう、ありがとう。いい作品にしましょうね。」
「 はい、ありがとうございます。それでは。」
先ほど稽古場で会った女の子だと、僕は見ていた。
「 紺野さん、彼女知ってるんです?」
「 え、たかし。知らないの?」
「 お兄ちゃん、知らなすぎるよ。本人の前で言わないでよね、そんな事。」
「 だって、ホントに知らないから。仕方ないだろ。」
二人ともあきれた顔をしていた。それもそのはず。彼女は去年の新人賞を
総なめにしたのだ。映画にもドラマにも活躍中の女優さんなのだ。
紺野さんもその点で言えば、彼女が出る前、2年前に同じように彗星の
ごとく現れた大型新人として扱われ、新人賞を獲得している。
その後も活躍の場を広げて、海外にもオファーがくるほどの存在なのだ。
そんな紺野さんと共演となると、話題にもなるのでみんながこぞって
共演したがる。そんな中僕は簡単にその共演を果たしている。周りからすると
なんてうらやましいと思われてるのだろう。ある意味脅威の新人と思われてるの
だろうか。なにもない僕なのに。