「 いいのか私にこの刀を抜かせて。」
今にも飛び掛ろうするゴロツキどもに一括する。
「 あんた、それははったりかい?だったら、後悔するんだな。」
そう言って目で合図を送り、浪人の周りを囲んでゆき、手には
それぞれが浪人の刀とは比べ物にならない程の長さの刀を握っていた。
いつでも飛び掛ることのできる距離を保つ。
「 本当にいいのか、後悔するぞ。いや後悔もできないか・・・。」
「 何言ってんでい。後悔はあんたがするんだ。手を出したことにな。」
「 そうかい、ならかかってきな。」
「 だったら、遠慮なく行かせていただこうかい。」
そう言ってすぐに一斉に飛び掛る。
次の瞬間で決着が着いていた。誰しも目を疑うであろう光景が。
切りかかったはずのゴロツキどもが、一斉にその場に倒れる。
倒れると言うのは違う。すべて切られて、胴から上が、ずり落ちたのだ。
一瞬の出来事だった。飛び掛ろうとしたその時に一瞬光ったように見えた。
その光こそ、浪人が剣を振るった軌跡である。
「 だから言ったであろう。後悔もできないと。私にかかわるから。
またつまらん事をした。」
浪人は腰の刀に手をやり、その場を後にし。そして先ほどのめし屋にもどる。
「 あんた、無事だったのかい?ふーん。腕は立つようだな。」
「 それよりも店主。ご飯を出してくれ。」
「 分かったよ。ちょっと待っときな、とって置きのを食わしてやるよ。」
そう言って店主は店の置くへと消えた。