由紀が僕に気づいて走りよってきた。

「 おはよう。たかしーて。この子誰よ。」

「 おはよう、由紀。こっちは妹の恵美。」

「 恵美です。て、お兄ちゃん、どういうこと由紀ちゃんと仲いいの。」

「 そうよ。恵美ちゃん。由紀はね、たかしの彼女なの。よろしく。」

「 おいおい、違うだろ。恵美が誤解するじゃないか。」

「 えー。違わないもん。たかしとキスまでしたのに。」

「 えーお兄ちゃんと由紀ちゃんがキスしたの。どういうこと?」

「 もういいから。恵美が間に入ると話がややこしくなる。」

「 いいじゃない。たかしここではっきりさせようよ。証人にもなるしさ。」

恵美も混じって無茶振りが、と思っていると玲子さん。

「 由紀、またたかしに無茶言ってるのね。でもたかしは渡さない。」

「 玲子さんまで、一緒にならないで下さいよ。」

「 えー紺野さんまで?ホントどうなってんの。お兄ちゃんがモテてる。」

「 あら、この方はどなた?」

「 玲子さんも初めてでしたよね。妹の恵美です。」

「 初めまして、妹の恵美です。本物だよ。」

「 恵美失礼だろ。本物って。当たり前じゃないか。一緒に共演してるんだから。」

「 いいのよ。たかしの妹さん・・・。ふーん。結構かわいい子なのね。」

「 ありがとうございます。やった、紺野さんにかわいいって。」

浮かれている恵美に対して、僕はちょっと強く言った。

「 なに浮かれてんだよ。お前のせいでみんな迷惑かけるだろ。」

恵美はすぐにシュンとしてしまった。その様子を見た玲子さんが。

「 いいじゃない、たかし。今日は見学?だったらゆっくり見ていってね。」

「 あ、ありがとうございます。紺野さん。」

今にも泣きそうな感じだった恵美が笑って応える。さあ、本番はもう少しだ。


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