前田さんとホテルに戻り、すぐさま台本を覚えようと部屋へ急ぐ。
部屋に入り、一息ついた。不意に思い出した。ゆいに返事返してない。
すぐさまゆいに返事を送る。するとすぐにゆいから返事が返ってきた。
『 お疲れ様。忙しいみたいだね。メール返ってこないから心配したぞ。
元気でなにより。明日が本番か、ガンバって。』
「 ありがとう、ゆい。さあ、がんばるぞ。」
ゆいのメールを見て俄然元気がでた気がする。その後12時頃まで台本に
見入って、ベットに入った。
翌朝は、すっきりした快晴の空に気持ちも晴れていた。
「 神崎君向かいましょうか。」
「 はい。」
二人して車に乗り込み、撮影現場へと向かう。車中は緊張した面持ちで
外の景色に集中して、緊張を解そうとしていた。
「 今日が神崎君のデビューの日、がんばってね。」
前田さんが声をかけてくれる。僕は声が出せなかったので、うなずいて
返事を返した。
現場に着くと、スタッフさん達が迎えてくれる。
「 おはようございます。よろしくお願いします。」
早々に会う方会う方に挨拶をして、現場に入る。僕の椅子が用意されていた。
椅子の後ろには、僕の名前が入っている。それを見て、さらに緊張が増していた。
そこに紺野さんが到着した。すぐさま僕に近寄り挨拶する。
「 おはよう、ちゃんと眠れたかしら。」
「 はい、なんとか。今日はよろしくお願いします。」
「 緊張してるわね。あんまり、力まないでリラックスしてね。ほら。」
そう言って紺野さんは、僕の手を取ってギュッと握ってくれた。
ちょっとした気遣いに僕はホッとした。さあ本番だ。いい作品にしたい。
そう感じていた。そして、その時間はすぐに訪れた。