「 お前面白い、手伝ってやるよ。じゃ、始めよう。」

そう言って、冴島さんを踏まえて台本の本読みが始まった。

さすがに僕よりキャリアを持ってる二人だ。本読みに入った途端に

表情が変わる。僕もそれを見て本気のところを見せようと付いていく。

「 へー意外とお前やるな。ちゃんと感情表現できてるじゃないか。」

「 あ、ありがとうございます。」

「 本番でもよろしくな、後は任せた。」

気づいたときには1時間以上経過していた。全く時間を感じさせなかった。

「 神崎さん、恵梨那もそろそろ失礼します。またね。」

「 ありがとう。じゃ、また。」

二人して出て行ったので、僕は稽古場に一人きりになった。

だが僕は、その余韻に浸っていた。

「 神崎君、お待たせ。ずっと一人だったの?」

前田さんが戻ってきた。僕は今までの経緯を話した。

「 そう、貴重な体験できたわね。なかなか新人にそこまでやってくれないわよ。」

「 そうですね。がんばらないと。」

「 そうそう、早速だけど。明日からもう撮影に入るから。」

「 もうですか。速くないですか。」

「 なに言ってるの。あなただけに時間はないのよ。みんな動いてるんだから。」

「 そうですよね。じゃ、帰って台本覚えなくちゃ。」

「 そうしましょう。準備して。すぐに出るわよ。」

とうとう撮影が始まる。初めて来たときはエキストラに間違われてしまったから

これが本当の始まりだ。


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