松井さんと話をしている傍で、またしてもその様子を伺う影があった。

気配を悟られないように、稽古場の柱の影から様子を伺っている・・・。

「 あら、また新しい子に手を出そうとしてるのかしら。とんだプレイ
ボーイね。

 そんなことしてていいのかしら。どうなっても知らないわよ。」

「 どうしますか?いつでも動けますよ。」

「 まだだっていてるでしょ。お楽しみはゆっくり楽しまなきゃ。すぐに

 遊んじゃ、楽しみが減るじゃない。私が合図するまで待ってなさい。」

そしてまた姿を消すのである。

僕はそんな事も気づかず、松井さんと話をしていた。するとそこに。

「 なーに、楽しそうにしてるわけ。由紀も混ぜてよ。」

松田さんが稽古場にやってきたのだ。傍に居た松井さんにも気づいたようだ。

「 恵梨那、神崎君盗っちゃダメ。神崎君は私のものよ。」

「 え、由紀。この人とそんな関係なの?」

「 そうだよ。この前なんか、人前でキスしちゃった。ねっ。」

「 ちょっと、あれは。ち、違うんだ。」

慌てた僕を見て、松田さんは怒ったように。

「 違うって何?違ってないもん。」

「 へー由紀って、結構大胆なんだ。知らなかったな。」

「 だから、違うんだってば。キスは本当だけど。付き合ってるとか

 そんなんじゃないし・・・。」

「 そんな・・・。そんな言い方するんだ。由紀泣いちゃうぞ。」

「 だから、由紀ちゃん。マネージャーさんにも言われてるでしょ。

 今は、行動に気をつけなきゃいけない時なんだから。」

「 そんな事関係ない。由紀は好きなの。大好きなの。どうしようもないの。」

「 そんな、そんな事・・・・。どうしたらいいの?」

「 そんなの簡単じゃん。由紀と付き合っちゃえば、そんなに重いの

 由紀の事が。」

「 恵梨那ありがと。がんばるよ。だから、付き合っちゃおう。」

「 おいおい、どうして話が先々進んじゃうんだよ。」

「 恵梨那も応援するから。がんばるんだよ、由紀。」

話がどんどん先走る。どうすればいいのか、今は映画に集中したいのに。



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