指導の鈴木さんに、これから自分がかかわり残してゆくであろう

作品に対しての心構えなどを学ぶ事ができ、自分でもなんとも言えない

高揚を覚えていた。

「 君はまだスタートラインにたったに過ぎない。良くも悪くも君の

 取り組みに対する気持ち次第だ。じゃ、続きをするよ。」

「 はい、お願いします。」

不思議に気持ちがすっきりしていた。メールの件が気にならない訳では

なかったのだが、今はこの場で練習に集中しよう、これからこの作品として

残してゆける映画を良いものにしたいと思う気持ちが、大きくなっていたからだ。

「 結果を恐れずやりたいようにやる。それも大事だが。その時々の気持ちを

 どう表現するか、常に考え自分の気持ちを相手とぶつけながらいきなさい。」

傍に監督が様子を伺っていて、言葉をいただいた。

「 よかったわね、神崎君。なかなか無いわよ。こんな事って。」

「 そうそう、神崎君はかなりついてるね。由紀だってそんな事教えて

 もらってないもんね。」

紺野さんと松田さんも傍に来ていた。新人としての待遇としてはホントに

いいと思う。

「 神崎君に届いたメールの件聞いたよ。気にする事はないぞ。この映画は

 必ず撮るから。誰にも邪魔はさせない。だから、ちゃんと稽古をつけて

 もらいなさい。」

「 はい、ありがとうございます。がんばります。」

「 また後でね、がんばってね神崎君。」

「 由紀も期待してるぞ。また後でね。」

監督、紺野さんそして松田さんも僕を気にしてくれていると思うと

元気が湧き上がってくる、そんな気持ちで今は一杯になっていた。


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