準備をしている中で、本番の為、稽古場を後にして出て行く綾乃ちゃん達。
僕は集中して、稽古に入ろうとしていた。そんな時だった。
僕の携帯ではなく、傍に居た前田さんの携帯が鳴る。
「 あ、すみません。マネーモードにしてなかった。」
そう言って少し離れた場所に移動して携帯に出た前田さん。
少しすると表情が変わるのが分かった。気になった僕は前田さんに向かった。
「 どうしたんですか。顔色悪いですよ。」
「 神崎君。どうしよう。今の電話なんだけど・・・・。メールの犯人から。」
僕はその言葉に驚いた。
「 え、犯人からなんですか。どんな電話だったんですか。」
前田さんはおどおどとしながら話を続けた。
「 う、うん。内容はね、自分を探すなって言ってきたの。もし探すなら
映画に出演している人たちがどうなっても知らないぞって。」
「 それって、完全な脅迫じゃないですか。こんなるともう
僕達だけの問題じゃなくないですか。」
「 そうね。そうよね。ちょっと待って。まずは小畑さんに報告しないと。」
前田さんは急いで小畑さんの元へ向かった。そんな中稽古場の外で、その様子を
眺めている少女がいた。
「 あらあら、急いでどこに向かうのかしら・・・。下手に動くと・・・・。
この映画大変なことになっちゃうぞ・・・。」
「 この後どうします。壊しちゃいましょうか?」
「 まだよ、まだ手を出しちゃダメ。まだまだ面白くしなくちゃ。
壊すのはもっと話が進んでからよ。私の出番がまだなんだから・・・。」
「 分かりました。いつでも声かけてください。待機してますから。」
少女と共に動く男がいた。まだ僕達はその存在に気づいていない。