僕は重い気持ちを持ったまま、その後は黙って車の外を眺めるだけだった。
紺野さんも、台本に目をやり僕を静かに見守っていてくれた。
小畑さんは携帯を使って、スケジュールの調整を事務所と始めた。
そうこうするうちに、家の近くまで来ていた。小畑さんが冷静に告げる。
「 役が決まったんだ。ちゃんと契約を結ばないとね。事務所の方で
色々と調整するから、今日はここまで。明日迎えに来るから。じゃあ。」
「 はい、ありがとうございました。」
紺野さんも簡単な挨拶だけ交わし、車はその場を離れていった。
「 ほんとに決まってしまった。あ、まずは母さんに言わなくっちゃ。
それとゆいにも・・・。どう話そ。」
家の前で考えていると、家のドアが開いた。そこにはゆいがいた。
「 たかし、お帰り。今日はどうだった?話聞かせてよ。」
「 あ、う、うん。分かった。でもなんでゆいがいるの?」
「 うん、ちょっとね。たかしが気になったから・・・。自分の家でしょ。
早く入って。話、聞かせてよ。」
せかされるように僕は家に入る。両親とゆいにはその後話をした。
母さんはかなりびっくりしていた。普段の僕からは創造できなかった事だから。
意外と父さんは冷静に話をしてくれた。ゆいも母さん同様びっくりしながらも
後には、応援の言葉をくれた。
話をした後、一緒にご飯を食べてゆいは帰っていた。
「 明日早いから。もう寝る。」
足早に僕は自分の部屋に向かった。疲れが急に僕を襲う。すぐに眠りに着く
事ができた。明日はちゃんと起きれるだろうか・・・。