車の中は重い空気に包まれていた。僕の事から始まった事だから。

僕自身も罪悪感もある。きっかけを与えてくれた紺野さん。

僕とすれ違わなければ、こんな事にはならないのにと思う心も

あるが、こんな機会をもらえた事への感謝の念もある。

どうしたらいいのか今の僕には、それを覆す力の無さを痛感していた。

そんな時だ。小畑さんの携帯が鳴る。

「 はい、小畑です。あ、監督。はい・・・、はい・・・。

 え、分かりました。」

小畑さんは僕に携帯を渡す。

「 監督からだ。君に話があるそうだ。」

「 はい、分かりました。はい、変わりました。神崎です。」

手渡された携帯で監督と話し出した。

『 神崎君、君には紺野の相手役をしてもらう。明日からだから

 いいね。遅れないよう。』

「 え、僕がですか・・・。はい・・・。分かりました。」

こんな時だった事と、素人の僕にこんな大役できるのかとプレシャーで

喜べずに居た。紺野さんはその様子を見て。

「 神崎君。監督はなんて言ってきたの。」

「 あの、僕が紺野さんの相手役にと・・・。」

「 やったじゃない。喜んでいいのよ。こんなチャンス、ホント

 無いと思うよ。」

苦笑いの僕。こんなチャンスはホントないよねと感じていた。