「 今日の撮影はどうなってるんだ?ちょっとマネージャーたち

 こっちに来てくれ。」

紺野さん、松田さんそれぞれのマネージャーさんが監督に呼ばれ

その場を離れた。紺野さんと松田さんがお互いの顔を見入っていた。

さすがにアイドルだけに、周りの目を気にしてにらみ合いにはならないが

お互いの目は真剣な眼差しだ。ある意味怖さを感じる。

紺野さんは、不意に僕に向き直し話を始めた。

「 今日はごめんなさい。神崎君一人にさせてしまって。トラブルに

 巻き込んじゃったわね。あちらで話しましょ。今後の予定もあるから。」

紺野さんは松田さんから僕を離そうとしていた。すると・・・。

「 あらこちらの方、紺野さんの知り合いなの。名前神崎って言うんだ。」

松田さんも負けずに僕と紺野さんとの間に入ってくるのだった。

「 あら、由紀は神崎君のこと知らないのに、大胆ね・・・。」

紺野さんも意味深く言葉を返す。ああ、どうなってしまうんだ。

紺野さん自身は、かなりファンの間では有名なお嬢様キャラで通っている。

方や松田さんはユニットで活躍している。今まだブレイクしたてではあるが、

その中でも1、2を争う人気を持っている。その子にキスをされてしまった。

周りは事の成り行きを、遠巻きにではあるがみんな集中してみている。

「 神崎君、ごめんなさいね。もしかしたら、今後大変なことに

 なるかもしれない。でも、どうにかするわ。心配しないで。」

紺野さんは僕を気遣ってくれる。松田さんも・・・。

「 神崎君でいいかな。大丈夫。私だって何とかするから。」

なんとも悪びれてない、話題を提供している本人なのに。