内野が話すことに信憑性はあるのだろうかと思いながら聞く。

「 これは、結構大変かもね。紺野さん、今回ドラマの仕事が

 入ったみたいなの。結構良い役みたいよ。そこで新人発掘の

 オーディションを予定してるみたい。相手役の男子を探す

 見たいよ。」

「 まさかそこに僕を当てようとしてるの。そんなのあり得ないだろう。

 今まで演劇の経験もないのに。ましてやこんな冴えない僕を。」

「 そうね。普段のあなたを見たら、そんなの絶対にありえないと

 思うわね。」

はっきり言われた。そうだ普段から目立たなく生きてきた僕に

そんなこと考えもしてなかった内容に驚くばかりだ。

ホントなら大変だ。そんな事引き受けられない。

「 気になるなら、学校で紺野さんに直接話を聞いてみるのね。

 あと、私の予定を入れてもらうから、また連絡するわ。

 また学校で会いましょう。じゃあね。」

悩みの種が大きくなった。本当かどうか、確かめるしかない。

家に急いで帰り、学校への用意を急いだ。

「 あら、今日は早起きしてるのね。珍しいこともあるわね。

 雨でも降るかしら。」

「 そんなのどうでもいいだろ。たまにはあるよ。」

「 そうね。たまにあると言っても何年ぶりかしら。」

なんて会話を母親とすること自体何年ぶりだろうか。

「 それよりも、朝ごはん用意できてるの?」

「 あなたじゃないのよ。ちゃんとできてます。はやく

 食べなさい。ゆいちゃんが来るわよ。」

久しぶりに早くから食べる朝ごはんを済ませて、ゆいを待つ。

早く確かめないと思う気持ちと、本当ならどうしようと

思う気持ちが交錯する。そこにゆいが迎えに来る。