校門で待っていたゆいと僕は家路につく。

ゆいは僕に今日の事を聞いてこない。僕もどう話していいか分からない。

歩く中で時にゆいは遠くを見ているようだ。その姿を見ると

僕の心はズキズキと痛んでいるのを感じる。

勇気を出して僕から言い出そう! そう思っていた時、ゆいから

話しかけてきた。

「 今日はなんだか大変だったね。あの後どうだった。」

ゆいは屋上からさった後の事を聞きたいんだと分かった。

「 あの後は、サッカー部の部室まで行ってたんだ。」

「 そっか、特になんともなかったんだね。よかった。」

「 うん。堂本さんが助けてくれたから・・・。」

屋上での出来事を話したほうがと思う気持ちもあったが、どう言えば

いいのか悩むとこ。

「 そうだ。もうすぐ夏休みだからさ。なにか予定立てない?」

ゆいは僕にこれ以上話せないと感じ取ったのか、話題を変えてきた。

「 う、うん。そうだね。夏休みか・・・。」

普段目立たなく生活していたせいか、友達は居るのだが

いままで予定をたててなにかをするなんてしてこなかった。

たまに友達と買い物で出る程度で、長く何かをしようとも思っても

いない。そんな日常を過ごしてきた。だから今回の事は

青天の霹靂。思ってもいないことの連続。その中でゆいからの

誘いは新鮮でもあり、ドキドキの予感でなんとも言えない気持ちになった。

「 ゆいは友達とどこか行ったりしないの。」

「 そうだね、何人かとは話してるからさ・・・。」

ゆいとは長い付き合いだが、休みにどこかに出かけるなんて

小さかった頃いらいだ。小学校高学年になる頃には

お互いを意識してか、たまに遊ぶくらいで予定をたててどこかに

なんて久しぶりすぎる。だから僕の気持ちは高揚していた。

「 急がないと、ダメな気がしてさ・・・。」

やっぱり今日の事でゆいの中で何かが変わったのか。

まだその時の僕にはそれを感じ取るまでのキャパがなかった。