二人が言い合いになりかけたとき、僕達の前に一人の男子が現れた。

「 何を騒いでるんだ。せっかく寝ていたのに。うるさいから

 目が覚めじゃないか。」

昇降口の上、給水棟のある場所から現れたのだ。

「 あらあなたは、また授業をサボっていらしたのね。」

紺野さんが声をかけた。紺野さんはよく知っている様子。

「 なんだ生徒会長さんか。いつもの事だろ。かまうなよ。」

「 そうね。今日はあなたには関係ない事だから。たまたまこの場所に

 くる事になっただけだしね。」

「 ちょっと、なんなのあなた達。別の話するなら、違うところでしてちょうだい。」

内野が紺野さんと男子との会話に割って入る。と、その場に。

「 たかし!こんなとこに居たんだ。さがしたのよ。」

ゆいが駆けつけてきた。僕は混乱していた。

「 どうもこの場は大変そうだな。おいそこのやつ。お前が原因か。」

「 ・・・。どうもそうらしいです。」

「 ちょっと顔かせ。行くぞ。」

男子は飛び降りてきて、僕をこの場から連れ出そうとした。

「 ちょっと待ちなさいよ。まだ神崎君には聞く事が・・・。」

「 そんなのしらねえよ。女だけで話しろ。ほら、行くぞ。」

強引だったが、僕はびくびくしながら男子とその場を後にした。

「 肝心の神崎君が居ないんじゃ、話をしても無駄ね。帰るわ。」

「 分かったわ。この話はまた今度するわよ。」

修羅場を回避できた。内野と紺野さんはそれぞれ屋上を後にした。

その場に駆けつけたゆいは、何の事か分からないまま僕が居なくなったので

同じく場所を離れた。

連れ出された僕はというと。サッカー部の部室前まで連れてこられていた。

「 俺、これから部活だから。もういいよ。」

「 あの・・・。ありがとうございます。」

「 別にいいよ。どうもお前が困ってるように見えたからさ。」

意外と気さくな人だと思った。僕はほっとした。この後どうなるのかと

ドキドキしていたから。

「 お前、神崎だっけ。名前。」

「 そうです。神崎たかしと言います。」

「 俺は、堂本かなめ。今日はなんか災難だったな。」

「 はぁ・・。そうですね。ほんとありがとうございました。」

「 いいよ。じゃあな。」

堂本さんは、そのまま部室へと入っていった。そして僕はその場をさった。

校門にさしかかったところで、ゆいの姿を見つけた。