「 宮本ゆいさんだったかしら。あなたはどう思ってるの神崎君の事。」

紺野さんはゆいの本心に気づいていて、わざと聞いたようだ。

「 私は・・・。幼馴染だし。そんな事・・・。」

ゆいは困っていた。その様子を紺野さんは軽く微笑んで見せた。

「 分かったわ。これ以上は聞かない。ごめんなさいね。」

紺野さんはゆっくりその場から去っていった。


その頃の僕は少女の後に付いて廊下を歩いていた。

それから階段を上り校舎の屋上へと向かった。

屋上にはたまたま誰も居なかった。振り向きざま少女が切り出した。

「 さあ、話をしましょ。いい答えを期待してるわ。」

少女は笑みを浮かべているが、僕にはあざ笑っているように感じていた。

「 その前に、僕の事知ってるようだけど。君の事は知らないんだ。

  まずはそちらから教えてくれるかな。」

「 そうね。まだ自己紹介が出来てなっかたわね。新聞部の内野麻衣よ。」

少女は新聞部の内野麻衣と名乗った。そうこの内野が新聞部のエースなのだ。

今までにたくさんのスクープを公表して、歴代の新聞部でも居ないと

言われているほどだ。

「 じゃ、本題に入りましょうか。神崎君。」

「 分かった。内野さんは何が知りたいんだ。」

「 ずばり聞くは、生徒会長をあんな行動に駆り立てたのはあなたの

 力だと私は考えてるの。情報では今まであなたとの接点が無いのよ。」

核心を突いてきた。さすが新聞部のエースだと思ったが。

ホントの事をこの場で話せる訳が無い。僕はどう答えたら納得してくれるか

考えた。

「 さあ。どうなのかしら。あなたには何か秘密にしてる事でもあるんじゃない?」

するどい問いかけだ。

「 そんなのあるわけ無いじゃないか。普段教室でも目立たない僕が。」

「 そうかしら、私が思うにはあなたはあえてそうして目立たないように

 してるんじゃないの。」

僕の鼓動が早くなる。このまま話を進めるとばれてしまう。

「 そうじゃないと、生徒会長があなたに出会ってすぐに抱きしめるなんて

 ありえないわ。神崎君あなたには何か秘密の力が有るんじゃない。」

僕は答えられなくなった。どんな言葉を発しても内野の前では意味を持たない

そう確信した。

「 なに訳分からない事聞くんだ。僕に力なんて無い。」

これ以上は無理と思った僕はこの場から逃げようとした。

「 ちょっと待ちなさいよ。交換条件を破る気なの。このままだと
 
 今日の事。また明日には記事になるわよ。それでもいいの。」

僕は聞こえていたが足早にこの場を去ろうと急いだ。

すると、内野は僕の肩に手をやった。そして振り向かせようとした。

僕はその手を振り払うように強引に肩を前にやる。とその時勢いがついてしまい

体制が崩れた。内野はすぐさま僕の真正面に回りこんだ。

体制が崩れた瞬間にメガネが外れてしまった。

( まずい、メガネが・・・。)

「 さあ、話の続きをするわ・・・・よ。」

真正面に立った内野。体制を崩したせいかまともに僕は内野を見てしまった。