授業も終わり、放課後の校庭にクラブ活動の活気ある声が響いていた。

ゆいが教室まで迎えに来た。

「 もう帰れるでしょ。一緒に帰ろ。」

ゆいの優しさに僕はうれしさを感じていた。

「 ごめん。もうちょっと。先生からプリント集めて持ってくるように言われてるから。」

授業の終わりに先生から、頼まれてしまった。

学級委員もやっていた僕は、みんなから集めたプリントを片手に、ゆいの言葉を後にした。

「 じゃ、校門のとこで待ってる。」

背中越しにゆいの声が聞こえた。

振り返らずにプリントを持ってない手で、ゆいに手を振った。

校舎2階の渡り廊下。向かいの校舎に職員室。ちょっと小走りに、プリントを運ぶ。

まだまだ明るい夏の日差しが、校舎の窓ガラスに反射する。

向かいの校舎から、一人の少女が歩いてくる。

普段の僕なら、下を向きながらそそくさと横を過ぎる・・・。はずだった。

渡り廊下の中ごろ、開け放たれていた窓から突然の突風。

片手にまとめたプリントが、その風でバラバラと手から放たれる。

慌てて僕はプリントを集めようとした時に、廊下にメガネを落としてしまった。

僕はさらに慌てて、プリントよりも先にメガネを拾おうとした。

その瞬間、僕はハッとした。目の前にさっきの少女の顔があったのだ。

ばら撒いてしまったプリントを拾ってくれていて、慌てていた僕に手渡そうと

直ぐ傍まで来ていたのだ。その時僕は気づいた。

その少女は、学校では有名な美少女。さらに生徒会長までやっている。

「 大丈夫? はいプリント。」

その声はさすが美少女だ、声まで美声であった。

「 あ、ありがとうございます。すいません。」

一瞬目が合ったように思えた。僕はさらに慌てながら拾ったメガネを掛け様とした時。

やばいと心によぎった。

( さっき目が合ったよな。だ、大丈夫かな。)

心の中で僕はさらに慌てていた。すぐさまプリントを受け取り、その場を離れようとした時。

背中からぎゅっと抱きしめられてしまった。