You're My Only Shinin' Star (277) 父との食事 2 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

優しいピアノの音が静かに流れる店内。


「きっともう一人増えるぞ。」


父親の視線の先・・・自分の背後に人の気配を感じたテギョンはおもむろに後ろを振り向いた。


「お久しぶり、テギョン君。」


緩やかにウェーブのかかった栗色の長い髪が揺れる。


「カトリーヌさん!」


驚くテギョンの前には、華やかな笑みを浮かべるカトリーヌの姿があった。


「どうしてここに?」


「私が呼んだ。キャサリンが仕事でこっちに来ているのは知っていたし、ミニョさんも喜ぶだろうと思ったからな。」


「驚かそうと思って私が来ることは秘密にしてもらったの。でも・・・あ~残念ね、ミニョに会えると思ってすごく楽しみにしてたのに。」


その場に崩れてしまいそうなほどがっかりとした声を出すと、カトリーヌは力なく大きなため息をついた。


「キャサリンが三人目だな。」


ギョンセの目元に穏やかなしわが寄る。


「そうですね。」


拳を口に当て、クスクスと笑うテギョン。

何のことだか判らないカトリーヌは小首を傾げながら目の前の男二人を見ていた。




レストランへ向かう車の中、テギョンは憂鬱な気持ちで窓の外を眺めていた。

隣にミニョがいれば賑やかな街並みに「オッパ、すごいですね」と目を輝かせてはしゃいだんだろうなと思うと、一人でポツンと座るシートがずいぶん居心地の悪いものに感じられる。しかしそれはミニョがいないことの寂しさというより、これから父ギョンセと二人きりで会わなければならないという、テギョンにとってはいささか気が進まない事柄の為だった。

だからといって父親のことが嫌いなわけではない。ただ子供の頃の複雑な心の内を話せないまま大人になり、どう接していいか戸惑ってはいる。

そんなテギョンにとって、この場のカトリーヌの存在は大きかった。




「ミニョも忙しそうね。」


「今回はちょっとトラブルがあって・・・タイミングが悪かったんです。」


ギョンセとテギョンの親子関係が微妙な雰囲気を醸し出している・・・というより、テギョンがギョンセといると妙に緊張していることに気づいたカトリーヌは、少しでもテギョンの心をリラックスさせようとミニョの名前を口にした。


「元気にしてる?」


「相変わらず事故多発地帯ですよ。事故処理をするのは俺なのに・・・」


「でも、嫌じゃないでしょ?」


「・・・ええ、まあ・・・」


カトリーヌがミニョのことを聞き、テギョンがそれに答える。

テギョン本人は気づいているかどうか判らないが、その顔にはついさっきまであった硬い表情は消えていた。

ミニョの話をするテギョンは嬉しそうで、少し照れも入っていて、ギョンセが見たことのない表情ばかり。

クスクスとカトリーヌに笑われ、気まずそうに口元を歪める息子をギョンセは温かい眼差しで見ていた。




「キャサリン、今日は楽しかったありがとう。テギョン、今度はミニョさんに会わせてくれよ。」


「俺がわざと会わせないようにしたんじゃありません。文句があるなら直接ミニョに言ってください。」


息子の不満げな口調にハハハと笑うギョンセは、迎えに来た車に乗りこんだ。

遠ざかって行く車の後ろ姿を見ながら、テギョンはふうっと息を吐く。


テギョンがA.N.JELLとして活動を始めた頃は、電話で話をする度に否定的な言葉を並べられた。

クラシック以外の音楽を認めようとしなかった父。

それでも必ず毎年届く誕生日プレゼントに、自分のことなどほっといてくれればいいのにと思ったこともある。

しかし今では父親としてテギョンのことを応援してくれている。クラシックではないが、再びピアノに触れ、音楽の世界に戻ってきたことを純粋に喜んでくれている。

わだかまりはない。

ただ、同じテーブルにつき一緒に食事をしただけなのに妙に疲れたことは事実で、テギョンは凝った身体をほぐそうと肩と首をぐるんと回した。

こんな時、疲れを取る一番の薬はミニョなのだが・・・

チラリと時計に目を遣り時差を計算する。ミニョはもうとっくに家に帰っている時刻。


「テギョン君、今ミニョのこと考えてたでしょ、毎日ミニョから電話かかってくるの?」


表情の変化を読み取ったのか、相変わらず仲がいいわねとカトリーヌがテギョンに声をかけた。


「いいえ、かけるのはいつも俺からであいつからかかってくることは・・・」


メールは毎日入っている。でも声を聞きたいとかけるのはいつもテギョンから。仕事の邪魔をしないようにというミニョの心遣いは嬉しいが、少し寂しい気もする。

どこか沈んだ表情になってしまったテギョンにカトリーヌはニッコリと笑いかけた。


「じゃあミニョからかけてくるように仕向けましょ。」


カトリーヌはテギョンが手にしていた携帯をスッと取ると何やら操作し、テギョンの隣に並んだ。


「ほらほらテギョン君、前見て笑って。」


それは一瞬の出来事だった。

カトリーヌはテギョンの顔に自分の顔を寄せ、満面の笑みでシャッターを押した。


「はい、これミニョに送って。きっと慌てて電話かけてくるわよ。『オッパ、いくらカトリーヌさんでもそんなに仲良さそうに写らないでください』って。」


ミニョの口まねをするカトリーヌ。

早く早くとカトリーヌに急かされテギョンは写メを送る。するとほどなくして、手に持っていた携帯が着信を告げた。

画面に映し出された名前はミニョ。

テギョンの顔が綻んでいく。

笑みを浮かべながらそれを見ているカトリーヌに背を向け軽く咳払いすると、テギョンは電話に出た。

しかし・・・


『オッパ、カトリーヌさんと一緒なんですか!?ズルいです、私もカトリーヌさんに会いたいのにーっ』


ミニョの反応はカトリーヌの予想していたものとは全く別のもので。

よほど興奮しているのかその声は思いの外大きく、すぐ横でこっそりと聞き耳を立てていたカトリーヌにも聞こえるほど。

電話の向こうで、一緒に行けばよかったと悔しがるミニョに無言で電話を切ると、ムニムニと不満げに口を歪ませたテギョンはジロリとカトリーヌを振り返る。


「ほらテギョン君、月が見えるわ、綺麗ね。」


ビルの隙間から覗く蒼い月。

気まずさを誤魔化すためか、カトリーヌはゆっくりとテギョンに背を向けると、華の笑みで月を仰ぎ見た。



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なうでぼそっと呟きましたが・・・新年早々腰を痛めました~o(;△;)o



もともと腰痛持ちなんで、腰に違和感を感じたからおとなし~くしてたのに、翌日にはかなり悪化していて。

寝てれば治ると思ったのに全然良くならなくて、一人で歩くのも困難な状態に。(;°皿°)



結局病院行って、ブロック注射打ってもらいました。



痛みも引いて歩けるようになり、やれやれという感じです(;^_^A






さて、今回のお話で下書きがなくなりましたーσ(^_^;)

予告通り、しばらく本編はお休みさせていただきます。


番外編は今のところ未定ですが、クリスマスの消されちゃったお話は何とかしたいですo(TωT )




最終話までざっくりとした内容は頭の中にありますが、文章にするのはまだこれから。


再開はいつになるかわかりません。


ちゃんと戻って来れると思うけど・・・・・・





イケメンへの愛が自然消滅しないことを祈っててくださいっ!(。-人-。)





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