ある日の朝。
キッチンでミニョはカチャカチャと食器を洗いながら、楽しげに歌を口ずさんでいた。
「ごめんねー すがーおじゃなく て♪」
すぐ隣で冷蔵庫から青色の瓶を取り出そうとしていたテギョンは、ミニョの歌に片方の眉をピクリと動かした。
「何の歌だ?」
「美少女戦士 セーラームーンの主題歌です。これ、ストーリーにぴったりな歌詞なんです」
にっこりと笑って続きを歌うミニョを横目で見ながら、テギョンの首は傾いていく。
セーラームーン・・・この間言っていたアニメのことだよな。
それにしても変わった歌詞だな。
『ごめんね素顔じゃなくて』・・・とは。
化粧したくらいで謝る必要はないと思うが。
・・・もしかして・・・・・・整形、か?
テギョンの頭の中で、妄想が広がっていく。
この主人公、過去に整形したことを好きな男に隠してるのか?
それとも・・・
びしょうじょ・・・び少女・・・・・・微妙に、少女?
”微少女戦士 セーラームーン”
身体は男でも心は少女で、素顔というのは本当の自分の姿という意味なんじゃあ・・・
いや、すでに身体も男じゃなくなっているかも。
だとしたら、整形というレベルをはるかに超えてるな。
「みらくるーろーまんす しんじーてーいるーの♪」
何も知らない男と、男であったことを隠している女・・・
確かにこの二人が結ばれるのはミラクルかも知れない。
テギョンはくいっとひと口水を飲むと、キラリと鋭い視線をミニョへ向けた。
「その主人公、いろいろと秘密にしてる事があるんじゃないか?」
「え!オッパ、どうして判るんですか!?」
この手の変身ものに秘密はつきものだが、テギョンにストーリーを話していないミニョは、どうしてそのことが判るんだろうと目を丸くした。
「俺はプロだぞ。歌詞を聴けばそれくらいのことは簡単に判る」
「すごいです、オッパ!」
ミニョに尊敬の眼差しで見つめられ、テギョンはふふんと得意げに鼻を鳴らす。
歌詞の間違いに気づかないミニョ。
勝手にストーリーを作り上げるテギョン。
今日もこの二人は、平和な空気に包まれていた。
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今回の番外編「月の光に導かれ」・・・実はこっちの(おまけ)の方がずいぶん前から頭の中にあったんです。
というか、こっちしか頭になかったσ(^_^;)
でも、頭の中でこねこねと練っているうちに、これって・・・ちょっと・・・んー・・・なんだかなー・・・って感じになったんで、ボツにしました。
その後で、スーパームーンのお話を書いて。
でもやっぱり捨てがたくて、おまけとしてならいいかなーって、ちょっと手直しして結局アップしてしまいましたー(^▽^;)
セーラームーンを知らない方・・・「セーラームーン」はテギョンが妄想しているようなお話じゃありませんので(;´▽`A``
くだらないお話ですみません~m(_ _ )m
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