納得・・・? | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

番外編です。本編とは関係ありません。

ただのお遊びだと思って、ひろ~い心で読んで下さい。


☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆


テレビ局の控え室。

番組の収録を終え、一番先に部屋へ戻って来たジェルミがテーブルの上に置かれた白い紙袋に目を留めた。


「何これ?差し入れ?」


ひょいと紙袋の中を覗くが、どうも食べ物には見えない。何だろうと袋の中から中身を取り出すと、中から出てきたのは。


「黒いエナメルのコルセットと・・・ガーターベルト?これって・・・女王様ってやつ?何でこんなとこに?・・・誰の!?」


何となくいけないものを見てしまったような気がして、ドキドキと顔を赤くしながら部屋の隅でそれを眺めていると、不意に後ろからシヌに声をかけられた。


「ジェルミの?」


驚きの声を出す間もなく、シヌがジェルミの手からスッと奪い取る。


「ち、違うよ、俺がそんなコルセット持ってる訳ないだろっ!?」


思いっ切り首を横に振り、自分のではないことをアピールするジェルミ。


「ジェルミ、これはコルセットじゃなくてビスチェだ。」


「へ?」


「ほら、ここのところが・・・」


ジェルミは横に振り過ぎてクラクラする頭を押さえつつ、真剣な顔をしてコルセットとビスチェの違いを説明しているシヌに、どうしてそんなに詳しいんだろうと思いながらも何も聞けずにいた。


誰の物だか判らないが、皆が戻って来る前に元通りにしまっておこうと紙袋へ入れる。

程無くテギョンとミナムも控え室に戻って来た。


「ねえ、これ誰のだか・・・知らない?」


部屋へ入るなり「アイス、アイス~」とアイスを食べ始めたミナムはジェルミの持つ紙袋を一瞥するが、「知~らな~い」とアイスを食べ続ける。


「ああ、そういえば今朝ミニョがそれと似たような袋を持っていたな。」


椅子に座り、水の入ったペットボトルに口をつけながらテギョンが言った。


ミニョ!?


「え?ミニョのなの?それって・・・」


ジェルミは水を飲んでいるテギョンの方をチラッと見た。


ミニョがこれを着てテギョンヒョンに・・・


ジェルミの妄想が膨らむ。






悩ましく眉根を寄せ床に横たわるテギョンをハイヒールで踏みつけるミニョ。


『ミニョ、もっと俺を虐めてくれ。』


『テギョン、いつも言ってるでしょ、女王様と呼びなさい』


『あぁっ・・・女王様っ・・・』






・・・・・・・・・


「いやいや、いくらなんでもそんなことは・・・」


ジェルミは頭に浮かんだ光景を振り払うように、ブンブンッと何度も頭を横に振った。


「皆さん、お疲れさまでした。」


今日の収録を観覧席で見ていたミニョがヒョコッと笑顔で入って来た。


「あれ?ここに白い紙袋ありませんでしたか?」


キョロキョロと辺りを見回すミニョに、ジェルミはやっぱりミニョのなの?と頬を引きつらせながら「これのこと?」と持っていた袋を揚げる。


「あ、はい、それです。」


「これ・・・ミニョのなの?」


「いいえ、違いますよ。」


ミニョの物ではないことにホッとするジェルミ。


「これはヘイさんにお借りしたんです。」


「えーっ!じゃあそれって・・・」


ジェルミはひたすらアイスを食べているミナムの方をチラッと見た。


ヘイさんがこれを着てミナムに・・・


ジェルミの妄想が膨らむ。






恍惚の表情でヘイの前に跪くミナム。そのすぐ傍にピシッと振り下ろされる黒い鞭。


『ミナム、私の靴をお舐めっ!』


『はいっ、女王様っ!』






・・・・・・・・・


「いや、確かにミニョよりは似合いそうだけど・・・」


ハハハ、とジェルミが引きつった笑いを浮かべていると、今度は番組で一緒だったヘイが入って来た。


「ミニョ、アレは?」


「はい、ここです。」


ミニョはヘイに白い紙袋を渡す。


「ねえ、それって・・・ヘイさんのなの?」


ジェルミがおずおずとヘイに聞く。


「違うわよ、これはワンさんに借りたの。」


「えーっ!!」


「早く返しに行かなくちゃ。」


「ワンさんならさっき向こうの方で見かけましたよ。」


「そう、じゃあ行ってくるわ。」


「私も一緒に行きます。」


紙袋を持つヘイの後ろをついてミニョもドアの向こうへと姿を消した。

ジェルミの頭の中には黒いエナメルのビスチェを身に着けたワン・コーディの姿が・・・






『ああ、女王様、もっともっと痛めつけて下さい』


『いいわよフニ、望み通りにしてあげる。オーホッホッホッホッ・・・』


哀願するマ室長をハイヒールで踏みつけ鞭を振り下ろし、高笑いをあげるワン・コーディ。






「・・・似合う・・・」


ミニョやヘイでは今一つだが、ワン・コーディの女王様姿はしっくりくるらしく、ジェルミは腕組みをすると目を瞑り、うんうんと一人頷いている。

すぐ横でジェルミの様子をずっと見ていたシヌはジェルミの考えていることが手に取るように判った。


「本当の持ち主が判ってジェルミは納得したようだが・・・俺はミニョとヘイがアレを借りたってことの方が気になるよ。」


シヌはそう呟くとテギョンとミナムを見ながら、意味あり気に小さく微笑んだ。




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こ~んな感じの番外編、ずいぶん久しぶりのような・・・


突然「M男」というフレーズから思いついた今回のお話。


紙袋の中はエナメルビスチェとガーターベルトだけでしたが、ジェルミの妄想には黒のショーツ、ストッキング、ハイヒール、鞭がセットでついてます(笑)


あまり深く考えないで書いたので、みなさんも深く考えないでね。

さら~っと流しちゃってください。




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