You're My Only Shinin' Star (187) CM撮影 3 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

テギョンがシヌと仕事の話を始めると、ジェルミが隣に座るミナムに耳打ちをする。


「俺、監督からテレビではなかなか見られないようなテギョンヒョンの素の笑顔が撮りたいって言われてるんだけど・・・どうしたらいいかな。」


「そんなの簡単じゃん、ミニョの話をすればいいんだよ。」


ああそうか、とジェルミはシヌと話をしているテギョンの気を引こうとミニョの名を口にした。


「ミニョまた事務所に来ないかな~。合宿所に歌の練習に来ても俺なかなか会えないし、どうしたら会えるかなぁ。」


「ミニョは事務所に用事は無いし、ジェルミに会う必要もない。」


案の定反応はしたが、ジェルミを睨むように眉間にしわを寄せているテギョンでは意味がない。

ミナムはジェルミの助けを乞うような目に小さくため息をついた。


「そう言えば昨日ミニョから電話があってさ、今日子供達にクッキーを焼いて持って行くって言ってたんだ。だから俺が余分に作って差入れに持って来いって言っといたんだけど・・・いつ持って来るかなぁ。」


わざとらしくスタジオのドアの方を見るミナムにテギョンの眉がピクリと反応する。


「きっとテギョンヒョンのは皆のとは違って 『特別』 なやつかもね。そういうとこあいつ気を遣うから。いいなぁ、ヘイは料理あんまり得意じゃないから手作りのクッキーなんて持って来てくれないんだよね~」


テギョンの眉間からしわが取れ、口の両端がゆっくりと上がっていくのを見ながらミナムは笑うのを必死に堪えている。


「ホント、ミニョってテギョンヒョンのことが好きだよね~」


とどめとばかりにミナムの口から出た言葉にテギョンは隠すように口に拳を当てるが、その顔は完全に緩んでいた。


「俺はそんな話知らないぞ。」


「持って行けるか判んないって言ってたから、変に期待させちゃマズいと思ったんじゃない?ガッカリさせたくなかったんだよ。ミニョって、テギョンヒョンのこと 『大好き』 だから。」


わざとらしくコホンと咳払いをするが、口の両端は上がったまま、目尻は下がり、誰が見ても笑顔・・・いやニヤケ顔のテギョン。

ミナムとジェルミがやったね!と合図を送り合うと、スタッフからコーヒーを飲むように指示が出た。






「これをうまそうに飲めばいいんだろ?簡単じゃん。」


ミナムは新発売のカフェオレを口にする。

ジェルミはブレンド、シヌは微糖、テギョンはブラックをそれぞれ飲んだ。


「お、うまいじゃん。」


「ホントだ、これも美味しいよ。」


「普段缶コーヒーは飲まないが、たまにはいいな。」


「・・・・・・・・・」


三人が一口飲んだ感想を口にしている横でテギョンは無言のまま。

ジェルミの言った通りテギョンの飲んでいるブラックはかなり苦みの強いものだった。

口に含んだ次の瞬間、あっという間に広がっていく苦い味。

テギョンは苦い液体を何とか飲み込むと手に持っていた缶を見ながら首を傾げた。


これを好んで飲むヤツがいるなら人の嗜好というものは実に不思議で奥が深いと思う。だが俺は・・・仕事でなければ積極的に遠慮したい!!


果たしてこれはコーヒーと呼べるのだろうかと口の中に残る酷い苦味に顔をしかめつつ、 『笑顔で飲むように!』 とスタッフから指示されると仕方なく缶を口へと運ぶ。

しかし口に含んだものの、なかなか笑顔でとはいかず、自然と顔が強張る。その上、缶コーヒーなど滅多に飲まないし、スクリューキャップの缶コーヒーは初めて飲むのに、何となく以前飲んだことがあるような気が・・・


ミナム、ジェルミ、シヌの三人が美味しそうに飲むなか、テギョンの顔だけは微妙で・・・

三人の笑顔とは反対にテギョンのひきつった顔。

噴き出して笑うミナムを睨みながら、コーヒーを飲むように指示されたテギョンは一気に缶を空けた。


飲んでいるシーンをそれぞれアップで撮るからと、新しいコーヒーが配られる。

ひたすら飲む四人。


一番先に撮影が終了したのはシヌ。

ジェルミとミナムも胃の中がコーヒーで満たされる前に終了。

最後まで残ったテギョンも何とか笑顔を作ると、やっと監督からOKが出た。






控え室では椅子に浅く腰掛けたテギョンが背もたれにぐったりと身体を預け、天井を仰いで大きく息を吐いていた。


「テギョンヒョンよくあの苦いの何本も飲んだよね。あれだけ苦い缶コーヒー、俺初めて飲んだ。罰ゲームに使えそうだ。」


撮影終了後、他のコーヒーも一通り飲んだミナムがクスクスと笑っている。


コーヒーが罰ゲーム・・・


どこかで聞いたことのある言葉だと思いテギョンは目を瞑って考えた。

撮影中から気になっていた味。

以前はスクリューキャップではなかったというジェルミの言葉。

苦い缶コーヒー・・・罰ゲーム・・・

考えがまとまりそうになった時、テギョンの思考を中断させるかのようにドアがノックされた。

開いたドアから重そうな段ボール箱を抱えたスタッフが入って来る。

その後ろから姿を見せたのは、テギョンには見覚えのある背の高い男だった。



。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆



すんごくお久しぶり~な本編です。

忘れちゃった、という人も多いのでは・・・


9月に入っても相変わらずバタバタしてます。ゆっくりな更新でごめんね~


さあ、今日は今から小学校に行きます。

帰りは3時くらい?
次男が帰る前には家にいなくては・・・


では、行ってきま~す♪



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