You're My Only Shinin' Star (186) CM撮影 2 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

CM撮影が行われるスタジオへ向かう車の中、テギョンは昨日のカトリーヌの言葉を思い出していた。


『少しの間、ミニョをイギリスへ連れて行ってもいいかしら?』


アフリカへ半年以上も行っていたことを思えば、たったの十日ほど。

交際発表をし、連日ワイドショーなどで話題に取り上げられていたが、公表直後のマスコミとファンの騒ぎも徐々に落ち着きつつある。

毎日会える訳ではないし、会っても二人が一緒にいられる時間はあまり長くはなかったが、それでも楽しく穏やかで甘い恋人同士の時間を過ごすことができていた。

たった十日間ミニョがイギリスへ行ったからといってどうということはない筈。会えなくて寂しい思いはするだろうが、今までにも仕事が忙しく電話で話すことすらままならない日が一週間続くこともあった。


イギリスへ行くことがミニョにとってプラスになるのなら・・・


たった十日・・・されど十日。


いつでも自分の目の届く、手の届く距離にいて欲しいと思うのは我儘だろうか?


遠く離れた場所でミニョがまた何か事故を起こすのではないかと今から心配しても仕方のないことが頭を過る。

だがそれはミニョをイギリスへ行かせたくない口実に過ぎないこともよく判っていた。


カトリーヌがミニョをイギリスへ連れて行きたいと言った理由・・・『ステージで歌う姿をミニョに見て欲しい』 と言えばミニョがどんな反応を示すのか容易に想像ができた。きっと大きな瞳を輝かせて喜ぶだろうと思うと口が尖ってくる。

たとえ相手がカトリーヌだろうと、ミニョの心が自分以外の誰かに向けられるのは面白くない。

俺はミニョにとって何番目なんだ?と考えてしまう自分が小さい人間のように思えてくる。

反対する理由がただの嫉妬でしかないのだから自分の余裕の無さを曝け出すようなものだ。


ミニョの前ではいつも余裕のある男でいたいのに・・・


今まで散々余裕のないいっぱいいっぱいの姿を見せておきながら、惚れた女の前では格好良くいたいという思いは無くならない。

テギョンの場合、余裕の無くなる相手はミニョに限定されるのだが・・・


何でもないフリをして 「行って来い」 と言うのか。

口元を歪ませて 「許可しない」 と言うのか。


たった十日間、ミニョがイギリスへ行くかも知れないということにテギョンは真剣に頭を悩ませていた。






「おい、テギョン、早く降りてくれ。」


マ室長に声をかけられ、今いる場所が車の中で、CM撮影の為の移動だったことを思い出すとテギョンは瞑っていた目を開けた。

他のメンバーが既に車から降りたことにも気づかなかったテギョンは短く息を吐くと、仕事に集中する為気持ちを切り替えようと軽く頭を振り、車を降りた。




撮影が始まったのは午後を少し過ぎた頃だった。

まずは一人ずつのシーンを撮り、その後四人一緒の撮影になった。


白い丸テーブルを取り囲むように置かれた四脚の椅子。四人が座ると初めてCMの商品である缶コーヒーがテーブルの上に並べられた。

声は録らないから自由に話してくれと監督に言われた。

注意することは一つ。指示が出たら自分に割り当てられた味のコーヒーを笑顔で美味しそうに飲むことだけ。

取り敢えず指示があるまで四人は話しを始めた。




「このコーヒーって缶のデザインまで変わったんだね。前はスクリューキャップじゃなかったと思う。」


「詳しいなジェルミ。」


「確かブラックがもの凄く苦いって、ラジオのリスナーから聞いたことあるんだ。」


ジェルミはブラックの缶を持っているテギョンを同情を込めた目で見ながら言った。


「苦いって言ったってたかがコーヒーだろ?ライムを丸かじりさせられたことを思えばどうということはない。」


テギョンは涼しい顔で缶を眺めている。


「こういう飲み物のCMっていいよね。俺がこの前出た子供向け英会話教室のCMなんて歌って踊ったんだよ。すっごく大変だった、なかなかOKが出なくて。」


「いいのは飲み物のCMじゃなくてダンスがないCMだろ?ジェルミって不思議だよね、ドラマーなのに何であんなにダンスが下手なんだろう。」


「ドラムとダンスは関係ないだろ~。それにちょっと手と足の動きが遅れるだけだって。俺は全然そんなつもりはないけど・・・」


「そういうのを下手って言うんだよ。だいたい子供向けのCMでそんなに難しいダンスじゃなかったのに。」


ミナムは立ち上がるとジェルミのCMのダンスを踊りだした。

ジェルミのCMを何度も見ているテギョンもミナムの言うことに小さく頷く。


「まあいいじゃないか。一緒に踊ってる子供達が凄く上手く見えるって評判だったし、ジェルミのダンスも・・・目立ってたぞ。」


「シヌヒョンまでそんなこと・・・」


フォローになっていないシヌの微笑みにジェルミの肩が下がっていく。

実際にダンスの上手な子供達に囲まれ、ジェルミのダンスが違う意味で一際目立っていたのは否定のしようがない。


「明日からジェルミのダンスレッスンの時間を増やしてもらわないとな。」


真顔で言うテギョンにジェルミの顔色が蒼くなった。





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ああ、いつの間にか、ずいぶんと日にちがあいてしまいました。

8月中は落ち着いてPCの前に座れそうにないので、さらに更新が遅くなりそうです・・・


*:.。。.:゜ *:.。。.:゜ *:.。。.:゜

― ピグのお部屋より ―


バニラアイス、イチゴアイス、パイナップルジュース、スイカ、かき氷、かしわ餅。

どなたでしょう?

いつもいつもありがとうございます。


かしわ餅・・・ん?トッピング?・・・と思ったら、かしわ餅の上にアイスがのってました。

きっとテーブルの上がいっぱいだったからだと思いますが・・・こんな風に置けるんですね!初めて知りました。

一瞬こういうものがあるのかと思った(笑)


まだまだ知らないことばかり。奥が深い・・・


*:.。。.:゜ *:.。。.:゜ *:.。。.:゜


前回のお知らせの記事で 「番外編でそれらしい話を・・・無理でした」 と書いた後で、なんとな~くそれらしい話が浮かんできて・・・

今、下書きの途中です。

別に今じゃなくてもいいんじゃない?と思いつつ、今書いておかないときっとそのままうやむやにしてしまうので、取り敢えず下書きを書き上げようかと・・・

で、その結果、そっちに集中してたら本編が止まってしまいました。

一応本編はもう少し先まで下書きは出来てるんですが、手直しするにも集中しないと出来ないんで・・・

あっちもこっちもと上手く頭を切り替えられないので、今は番外編に集中したいと思います。


次回は、たぶん番外編です

ああ、しかもアメ限になりそうな・・・


更新は来週の予定です。



子供達よ、母に集中できる時間をくれ~!




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