You're My Only Shinin' Star (96) 波風 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

最近ミニョがボーっとしていることが多い。それに比例するようにドジも増える。

ジョリーの散歩に行って迷子になった時は、ジェルミが泣きそうな顔で捜し回った。シヌのお気に入りのお茶の葉を床にぶちまけた時は、シヌのいつもの微笑みは目が笑っておらず、ミナムの大事にとっておいたアイスを食べてしまった時は、涙目になったミナムに怒られた。

夜、ぬいぐるみ部屋のベッドで眠っていると、突然部屋へ入って来たテギョンが有無を言わせずミニョを抱き上げ、「俺が眠れないだろう」と言い、自分のベッドへ連れて行く。

ミニョの様子が変なのはテギョンに言いたいことがあるが、なかなか言えないから・・・ということを判っているミナムは傍観し、何となく気づいているシヌはさりげなくお茶を出し、何も判らないジェルミは心配してオロオロするばかり。テギョンは苛々しながらもため息をついていた。


ミニョはこの間テギョンと二人で院長様に挨拶に行った時、これからのことを相談していた。今は怪我をしているテギョンの世話をする為合宿所にいるが、いずれは出て行くことを考えている、と。

院長様はそれならと、今度は明洞聖堂で以前のように子供達の世話をしないかと勧めた。合宿所から遠い中山聖堂よりも明洞聖堂の方がミニョとテギョンの二人の為には良いのではないかという院長様の配慮だった。

そしてアフリカのシスターメアリーから話を聞いていたらしく、ミニョに聖堂で歌ってみないかと誘った。ミニョは暫く考えさせて下さいと言ってその場を去った。

そのことをミニョはまだテギョンに話していない。

ミナムにはテギョンと話をするように言われた。自分でもちゃんと話さなければと思っている。

でもなかなか言い出すタイミングがつかめず、どうしようと考えて他のことに頭が回らない。


「ミニョ。」


リビングのソファーでため息をつきながら座っていると、二階から下りてきたテギョンが人差し指だけをクイクイッと曲げミニョを呼ぶ。ミニョはテギョンの後をついて地下へ下りていった。

ピアノの前に座るテギョン。


「オッパ、腕は大丈夫なんですか?まだ痛むんじゃありませんか?」


腕を怪我してから作曲をするのにキーボードを弾いている時も痛みで顔を歪めていたテギョン。鍵盤を叩くピアノの方が腕に負担がかかるだろう。

テギョンはミニョを自分の隣に座らせると長い指を鍵盤に乗せ曲を奏で始めた。


『Fly Me to the Moon』


テギョンがファンミーティングだと言って弾いてくれた曲。二人で一緒に歌った思い出の曲。

ミニョは目を瞑るとテギョンの優しく歌う声に耳を傾け、あの時と同じように途中から声を重ねていった。

曲が終わってもミニョは歌の余韻に浸っているのか目を瞑ったままでいる。テギョンは一度ミニョに目を遣りその後視線をピアノへ向けると、ゆっくりと息を吐いた。


「俺はミニョがアフリカから帰って来たら合宿所を出るつもりでいた。」


「オッパ?」


突然のテギョンの言葉にミニョは目を丸くする。


「合宿所を出て・・・マンションでミニョと暮らそうと思っていた。アン社長には反対されたが部屋を用意した。ミニョが帰って来たらそのことを話すつもりでいた・・・。それを今まで言わなかったのは状況が変わってしまったから・・・。今回の怪我は完全に俺のミスだ。それなのにアン社長は俺に治るまでメディアに出ないで休養しろと言った。いつものアン社長なら怪我をしていてもファンに元気な姿くらい見せろと言いそうなのに・・・。思うように動けない姿を晒すなんて俺には耐えられない。だから俺はアン社長の配慮に感謝している。その社長の反対を押し切ってまで合宿所を出るとは言えなくなってしまった・・・」


テギョンは一度大きく息を吸うとミニョの方を向き言葉を続けた。


「俺はお前と一緒に住む為にここを出ようと思った。・・・お前は?俺から離れる為にここを出ようと思ったのか?」


テギョンの言葉は苛立ちながらも寂しさを含んでいるように聞こえた。


「・・・オッパ?」


「フッ・・・どうして知っているのか・・・という顔だな・・・。昨日院長様からミニョの携帯は繋がらないからと俺に電話があった。明洞聖堂へ行くのか返事が欲しい、と。」


ミニョはテギョンに知られてしまったことに気まずさを感じ何も言えないでいる。


「最近何か考え込んでいることは気づいていた。その理由が昨日判った。すぐにお前に問いただしたい気持ちを抑えて今日まで待った、お前の口から話してくれるのを・・・」


「オッパ・・・あの、その・・・」


「一人で決めて出て行くつもりだったのか?」


「いえ、そういう訳ではなくて・・・」


テギョンは睨むようにミニョの顔を見つめたまま立ち上がると、込み上げてくる怒りを抑えるようにぐっと拳を握った。


「明洞聖堂へ行くことは・・・許可できない。」


ミニョの言葉を遮り反対の意思を告げるとそのまま部屋を出て行った。



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すみません、ちょっとお休みします。

二日?三日?

家のことでバタバタしていて、落ち着いてPCの前に座ることが出来そうにないので・・・


「おい、俺達このまま待たされるのか?俺は許可しないぞ、早く何とかしろ!」


・・・ごめんテギョン、ちょっと待ってね。


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