本音はどこに? | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

番外編です。完全にお遊びです。本編とは関係ありません。・・・以下略・・・


     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆


その日ジェルミが一人で夜遅くに帰って来ると、キッチンの椅子にテギョンとミニョが並んで座っていた。


― あれ、ミニョこんなに遅くまでいたんだ。くそ~っ、知ってたら急いで帰って来たのに~


ジェルミが 『ミニョ~』 と声をかけようとした時、テギョンの低い声がキッチンに響いた。


「子供が欲しい・・・」


― えっ、何?ヒョン、今何て言ったの?


リビングに背を向けて座っている二人はジェルミに気づいていないようなので、ジェルミはリビングのソファーの陰に隠れ、こっそりと二人の会話を聞きだした。


「いきなり何ですか?」


驚いた声のミニョ。


「家族になりたい・・・」


真剣な声のテギョン。


「・・・今はダメです。」


「すぐがいい」


「一年・・・後・・・なら・・・」


戸惑いがちなミニョの声がジェルミの耳に入ってくる。

二人の会話を聞きながら、頭の中がパニックになっているジェルミ。


― え?何?家族?一年後?・・・結婚するの?プロポーズ?二人の間でそんな話が出てるの?


ジェルミは二人が恋人同士なのは判ってるし、いつかはそういう時が来るだろうと思っていたが、まさか自分の目の前でそんな話をされるとは思ってもいなかったので、かなりショックを受けていた。


「来年か・・・そうしよう。」


「嬉しいです。」


「すぐがいいのに・・・」


「・・・二年後にしましょうか?」


からかうような笑いを含んだミニョの声。


「勘弁してくれ。」


テギョンは片手で頬杖をつくと、軽くため息をついた。

あまりのショックに放心状態のジェルミ。

リビングにジェルミがいるとは知らない二人は、話を続ける。


「レモネード入れますね。」


椅子に座っていたミニョが立ち上がりカップを取りに行く。

テギョンは追いかけるように立ち上がるとミニョの背後にまわり、包み込むようにそっと抱きしめた。


「・・・寝たいな・・・」


「何言ってるんですか。」


突然後ろからテギョンに抱きしめられ、顔を赤くするミニョ。


「帰るなよ。」


ミニョの耳元で低く甘く囁かれるテギョンの声。


「よして下さい。」


テギョンの腕の中でバタバタと暴れ出すミニョ。


「一緒に寝よう。」


ミニョを逃がさないように抱きしめている腕に力を込めるテギョン。


「うちに帰ります・・・」


ミニョは絡みつくように自分の身体に回されたテギョンの腕を何とか外そうとするが・・・


「・・・好きだ・・・」


テギョンの甘い囁きにミニョの動きが止まった。

長い沈黙。

テギョンはミニョの首筋にそっと唇を寄せる。


「・・・だ・・・」


ミニョが何かを言いかけた時。


「ダメ~!」


ジェルミがソファーの陰から飛び出し、キッチンへ走って来た。


「きゃっ、ジェルミ。」


突然現れたジェルミに驚いたミニョは手で口を押さえる。


「ヒョン、ミニョ、いつの間に結婚の話が出てたの?俺何にも知らなかったよ~。そりゃあ俺に相談するようなことじゃないけど、ひどいよ~。それに俺の目の前でイチャイチャするのやめてよね~。そういうことは、周りにだれもいない二人っきりの時にしてよね。」


一気にまくしたてたジェルミはハァハァと肩で息をしている。


「ジェルミ、誤解です。結婚だなんて、そんな・・・。ただ、しりとりしていただけです。」


緩んだテギョンの腕から抜け出したミニョが、慌ててジェルミに説明をし始めた。


「しりとり?」


首を傾げるジェルミ。


「はい、会話でしりとりするんです。ん~例えば、 『起きなさい』 『今何時?』 『十時かな?』 『何で起こしてくれなかったの?』 みたいに、会話を繋げていくんです。」


ミニョにそう言われ、二人の会話を思い出そうとするが、パニックになっていたジェルミは全く思い出せず、そ~っとテギョンの顔色を窺っていた。


「・・・そう、なの?」


「ああ、そうだ。ただ、しりとりしていただけだ。・・・ジェルミ目の前でイチャイチャするなだと?」


テギョンの地を這うような低い声にジェルミは思わず後ずさりをする。


「俺とミニョがここに来た時には、周りには誰もいなかったぞ・・・。後から来て覗いてたのはお前だろう。人の話を盗み聞きするなー!」


「ごめんなさ~い。」


ジェルミはクルリと二人に背を向け慌てて走り去って行った。



「ミニョ、俺の勝ちだな。お前は最後の言葉を言えなかった。」


勝ち誇ったように口の両端を上げるテギョン。


「あれはジェルミが途中で邪魔しただけです。ちゃんと言おうとしてました。」


ぷぅっと頬を膨らませながらミニョが抗議をする。


「そうか、なら言ってみろ。すぐに言えたらお前の負けは撤回してやる。 『だ』 から始まる言葉だぞ。」


ニヤリと笑い腕組みをしているテギョンに、背伸びをして耳に口を近づけるミニョ。


「大好きです。」


「・・・・・・」


くすぐったいほど近い距離で囁かれるミニョの甘い声にテギョンは顔を赤くし、言葉が出なかった。



さっきまでの会話は二人のお遊び。

その中に、二人の本音が入っていたかどうかは・・・二人にしか判らない・・・・・・



          ☆          ☆          ☆



二人の会話のしりとり・・・考えていてすごく楽しかったです。

ジェルミの最初の一言も繋がっていたんですが・・・それ以上は無理だった・・・


アメンバーの申請ありがとうございます。メッセージの中に、「番外編が好き」と言って下さる方が何人かいらしたので、うれしくって、うれしくって、こんなん書いちゃいましたが、今回はどうでしょう?

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