エリック・ショヴァンさん
こんにちは。11月8~10日のベストフラワーアレンジメント(以下BFA)イベントまで、あと16日となりました。もうすぐです!(あたふた)
さて、今日はパリからやって来る3人のフローリストについて、お話したいと思います。公平に(笑)、アルファベット順でご紹介していきましょう。
トップバッターは、エリック・ショヴァンさん。ショヴァンさんは、エルメスの本店をはじめ、数々の一流ファッションブランドや三ツ星ホテルの花装飾を手掛ける、いまパリでもっとも売れっ子フローリストのおひとりです。
ショヴァンさんとBFAとのはじめての出会いは1991年、BFAが書籍から雑誌となる記念すべき創刊号のためのパリ取材でした。
当時、ショヴァンさんは7区にショップを開いたばかり。でも、才能をいち早く見抜いたのはBFAで創刊号からずっと記事を執筆していただいている作家の川島ルミ子さんです。
「新しいブティックなんだけど、そこのフローリスト(ショヴァンさんのこと)はスター性がある。作品も彼独自のバロックな世界があって、なかなかいい」と、ちょっぴり興奮ぎみに川島さんが私にメールで報告してくださったのを、まるで昨日のことのように覚えています。
当時、パリはZENブーム全盛期、どこへいっても前衛的な花で、私たちBFAはロマンティックでクラシックな花を求めていたところでした。クリスチャン・トルチュさんに続く、新しいパリの花のスターを見つけたい。そんな思いもあって、パリで取材をするリストに、ショヴァンさんを加えたのです。
こうして1991年の初夏、7区のブティックとともに、当時ショヴァンさんが住んでいたバスチーユ広場近くの自宅、アパルトマンを訪れました。そこはほんとうに小さなアパルトマンでしたが、オレンジ色の壁とバロック的嗜好のインテリアが、それはそれはセンスがよく、まるでショールームのようでした。ジーンズ姿から「着替えてきますね」といって寝室からでてきたショヴァンさんは、壁色と同じオレンジ色のドレスシャツで登場。そのとき、「この人は、自分の魅力、そしてアピールの正しい仕方をわかっている。頭のいい方だ」と感心しました。
エリックさんの当時のアパルトマンは、誌面ではとても広そうに見えますが、じつは狭くて、撮影中、川島さんと私とショヴァンさんは人影がうつらないように、キッチンで肩を寄せあって撮影を見守り、取材もそこでしました。なんだか、いまではいい思い出ですね。
そのときのショヴァンさんの印象はというと「志しが高い人」です。はじめて会ったとき、ショヴァンさんは「私の店はぜったいパリで一番の花屋さんにしたい。してみせる」といっていました。
ショヴァンさんとは、一番直近でいうと今年の6月に、今発売中のBFA秋号の取材でお会いしました。取材目的は、ショヴァンさんのヌイイにだしたばかりの2号店の紹介です。とっても大きなショップ、スタッフもたくさん、何よりもパリのお花やさんでこれだけの花の量をそろえている店はあまりないだろうと思わせるほど、2号店は華やかでした。まさに売れている店のオーラが店中にただよっているのです。
しかし、ショヴァンさんは、今でも早朝にランジスへ行き、自分の目で花を仕入れている、といっていました。それを聞いて私は「この人はまだまだ大きくなるな」と思い、ちょっぴり、うれしかったのでした。余談ですけど、これからの時代に生き残れるのは、才能があり、哲学を持ち、そして地道なことができる人、会社だと私は信じています。
さて、今回のイベント、11月8日、9日のショヴァンさんのレッスンは完売してしまいましたが、同じ日に行われる六本木ヒルズのフリースペースでは、毎日、ショヴァンさんも、その他のパリのフローリストも展示室を見てまわり、BFAの読者とふれあいます。ぜひ、生のショヴァンさんとお話できるといいですね。とってもエレガントで、「花の貴公子」といわれるその理由がおわかりいただけると思います。
また、おすすめしたいのは10日のパーティのデモンストレーションです。表参道のアニヴェルセルで10日、月曜日の午後7時~9時に行うパーティでは、ショヴァンさんをはじめ、3人のフローリストが得意なブーケをつくり、競演します。じつは、私はひそかにこれを見るのが一番の楽しみです。3人がブーケをその場で披露するなんて・・・美しいですよ、きっと。こちらはまだ席がございます。
ショヴァンさんらしいロマンティックでバロック的(クラシカル)なブーケがどのように束ねられるのか、生で御覧いただけると思います。
ちなみに、ショヴァンさんがブーケをつくるとき、じつは意外に地味です(笑)。地味というと言葉が悪いですね(笑)。特徴はまず下準備が神経質なほど完璧で、いざ束ねはじめるとものすごく早いのですが、その動作はとても静かで、美しいです。あまり、このように静かに束ねる方はいません。たとえると、クラシック音楽をかけて花を束ねている、というのが似合う感じ。そして出来上がるブーケは、ロマンティックで、ショヴァンさんらしいバロックのムードが感じ取れます。
長くなりました。もっと書きたい気分ですが、今日はこのあたりで、仕事に戻ります。BFAクリスマス号をいま、つくっているところです。
それでは、花を愛するみなさま、11月8~10日、BFAのイベントで、お目にかかりましょう!
株式会社フォーシーズンズプレス 編集部 水谷
読者のみなさまへ
ベストフラワーアレンジメントの編集長をしております水谷です。
ベストフラワーアレンジメント(以下BFAといいます)は、今年、7周年を迎えています。じつはこの雑誌とフォーシーズンズプレスという私どもの会社は、13年前に年2回発行する書籍からスタートしました。BFAは当初、書籍でしたが、どんどん部数がふえていって、季刊発行の雑誌になったものです。
私はつねづね、雑誌とは生き物だ、ひとりの人格だ、と思っています。
BFAは、いわば私たちフォーシーズンズプレスという会社から生まれた「長女」です。長女には「気高く、美をとことん追求する潔い生き方をしてほしい」と思っています。
また、もしも、雑誌の果たすべき役割、仕事をひとつあげよ、といわれれば、「共感」だと思います。読者のみなさまが、BFAに共感していただけるか、みなさまと心をひとつにできるか、それがすべてです。
今回、7周年を記念して、読者のみなさまに、ここまで育てていただいた御礼とし、何かプレゼントをしたいと思いました。5周年記念のときは、業界ではじめての珍事といわれましたが、価格を510円さげて、読者カードをいただいた方全員に、心ばかりのプレゼントを送らせていただきました。7周年はイベントという、目には見えない、形には残らない贈り物を用意したいと思います。
5周年の510円下げのときもそうでしたが、じつは計画した時点から、このイベントでは、私どもの儲けはゼロ。一部設定させていただいた有料の催しの収益は全部経費となり、それどころか、ほんとは大赤字です(苦笑)。
でも、幸せなお金は(私は感謝して使えるお金をそう呼んでいますが)必ず別の形でまた返ってくるものですから、ご心配には及びません。どうか、私たちの目には見えないプレゼントを受け取っていただきたいと思います。
さまざまな催しを用意していますが、物理的な入場制限もあり、現在、入場フリーの催しと、有料ですがパーティはまだ空きがございます。ぜひ、11月8~10日の六本木ヒルズと表参道アニヴェルセルでのイベント会場に足をお運びくださいませ。
イベントまでの約3週間、7周年記念イベントの序章として、これまで感じたこと、思っていることをここにシェアしたく、書きたいと思います。ご存知のように、BFAには編集後記というものは一切ありません。それは、「編集後記という言葉で伝えるくらいなら、誌面ですべてを語れ」という決意の証で、いまだにそれをかたくなに守っております。
みなさまとお話したいことは、じつはたくさんあります(笑)。それらをこの場と、そしてイベント会場で実現したいと思います。
ぜひ、みなさまとお目にかかり、一言でもおひとりずつとお言葉を交わし、お礼を申し上げたい。私をはじめ、スタッフにお声をかけていただければ幸いです。
11.8~11.10、イベントでお会いしましょう。
次回からはパリのフローリストなどについても書かせていただきます。
株式会社フォーシーズンズプレス ベストフラワーアレンジメント編集長 水谷しのぶ
