学習指導要領に基づいて挙げられる
音楽科における「言語活動の充実」の事例は、
たいてい、次のようなものです。

①「A表現」の領域(歌唱・器楽・創作)において
 「どのように表現したいのか」について、
 音楽の諸要素を表す言葉(共通事項※)を用いて説明する。

②「A表現」の領域において、
 「何故、そのように表現するのか」につて、
 音楽の諸要素を表す言葉(共通事項※)を用いて説明する。

③「B鑑賞」の領域において、
 その曲のよさや特徴(感じ取ったこと)を
 音楽の諸要素を表す言葉(共通事項※)を用いて説明する。
 (=根拠をもって批評する)
 
※表現及び鑑賞の能力を育成するために共通して必要であることから、
 「共通事項」と名付けられたもの。「音色」や「強弱」、「速度」など。

授業における活動としては、
ワークシートに書かせたり、発言させたりします。
グループ活動のテーマとして、話し合いの時間を設ければ、
いかにもアクティブラーニングな感じで、
充実した言語活動を行っていることになりそうです。

が。

音楽の授業で、
作文や話し合いだけ上手になっても仕方ない!

上手になるに越したことはありませんし、
それも必要です。

しかし、「音楽でしかできない」表現こそ
一番に大切にしなければなりません。
結局、音楽科における「言語活動」の位置付けは、
その手助けになるものであって、
重要性は意識して授業に取り入れますが、
取り立てて充実させるものではない・・・と。

一般的には、誰でも、そう思うでしょう。

でも、学校の先生は真面目ですから、
大々的なキーワードで、そして「総則」で
「言語活動の充実」と言われてしまうと、
一生懸命、考えてしまうのです。
「アクティブラーニング」についても同様だと思われます。

(つづく)