鮮やかな黄色が魅力の「菜の花」
多分知らない人がいないくらい、身近なお花ですね。
私は菜の花って、とても不思議な魅力のあるお花だと思っています。
一つひとつのお花は小さいのに、それが集まると小さい黄色のブーケのよう。
反対に、葉をみると見事なぐらいに縮れていて、野菜のようにも感じられます。
また、「桃の節句」にはかかせないお花の一つです。
今回は、この不思議な魅力のある「菜の花」にスポットをあててみましょう。
菜の花は、油をとるために栽培されてきたアブラナ(油菜)を改良してつくられた園芸品種です。
主につぼみをつんで食用にするほか、切り花として観賞用にします。
菜の花の黄色が畑を一面におおいつくすさまは、日本の代表的な春の風物であり、詩歌にしばしば詠まれてきました。
皆様もご存知の有名なものを少しだけご紹介してみますね。
「与謝蕪村」の
「菜の花や 月は東に 日は西に」は有名ですね。
あたり一面に広がる菜の花畑で遊んだ幼少期を懐かしみ詠んだものです。
「山村暮鳥」の「風景」では、「いちめんのなのはな」がひらがなで8回ずつ繰り返されています。
見渡す限り一面に菜の花が咲き、鮮やかな黄色の菜の花が大地を埋めつくしている風景が力強く表現されています。
こちらは、私が以前に桜と菜の花が綺麗な時期に写真に収めたものです。
「透明感のあるピンク色の桜」と「鮮やかな黄色の菜の花」の見事なまでの綺麗な春の風景です。
菜の花は、桜の綺麗な時期まで咲いているので、こんなに素晴らしい景色も撮れるので得した気分になりますね。
私は、こんな春の柔らかな色の風景が大好きです。
私にとって、菜の花は懐かしさも感じさせられるお花なのです。
学校の帰り道、友人の家にいく途中の道沿いには、たくさんの綺麗な菜の花が植えてありました。
それは、まるで、黄色の絨毯のようで、とても綺麗でした。
今でもはっきりと憶えています。
菜の花の花言葉は「小さな幸せ」「快活な愛」「明るさ」などです。
春を告げる元気な花色と、茎の先に小さな花束のように可憐な花を咲かせる姿が由来となっています。
それでは、ここからは菜の花のいけ方についてのお話です。
菜の花は、「桃の節句」のいけばなに使う「桃の花」ととても良く合います。
また、「ぜんまい」などの少し渋めの花材ともよく調和します。
菜の花の鮮やかな黄色と茎の線をいかしていけてみましょう。
葉を適度に整理すると、花と茎の線をいかすことができます。
花や葉をマッス(塊)いけにしたり、葉のついた茎だけを集めて他の花材と組み合わせたりしていけることもできます。
また、花は明るい方向へ伸びていきます。
希望の花の向きと変わってしまうこともありますので、そのときは手直しをしてあげましょう。
水揚げはとてもよいので、先端までよく花が咲き、長く飾ることもできます。
また、籠などに飾ると、素朴で懐かしさがでて風情があります。
皆様も是非、「菜の花」を気軽にお部屋に取り入れてみましょう。
鮮やかな黄色がお部屋を明るくしてくれますよ。